top of page
検索


ここに日本の将来がかかっている 石木ダムの見直しを
去る2月8日の衆院選挙の結果は、ぼくにとっては悪夢のようなものだった(ああ、宇宙塵、きみはこの結果が見たくなくてさっさと逝ってしまったの!?と問うぼくに、彼はニタリと笑って、「あとは任せるよ」と言った、という気がした)が、実はぼくの心をわずかに慰めてくれたのは、同日に行われた長崎県知事選挙の結果だった。 60年前からのダム建設のために蛍舞う美しい里山と、そこに住み続けることを望む人々の住む13軒の家々を水の底に沈めてしまうため、近々、行政代執行を強行するという決意を固めた現職知事(当時)に対して、計画の見直しや再検証をも厭わないと、匂わせる対抗馬が勝利したのだ。(選挙結果を喜ぶことに不慣れなぼくよ!) ぼくと友人たちは、「緊急声明」を発し、石木ダム計画見直しを公約するよう候補者たちに訴え、公約する候補に投票するよう、長崎県の有権者に訴えた。この運動がどれくらい効果があったかは定かではないが、埋もれかけていた石木ダム問題を争点化することには、ある程度役立ったらしい。勝利した平田氏は知事となった。ダム推進の自分の立場は変わらない、と知事就任後も言って
信一 辻
1 日前


レイジーマン・コーヒー物語 その4
数日前、1年ぶりのタイへの旅から戻った。北部タイには10日余り滞在し、ノンタオ村の他、チェンマイから車で6時間以上かかる遠隔地の村、メロキのほか、先住民が聖なる山と崇めるドイチャン(象の山)のふもとの村、ドイチャン・パペなどのカレン族の村に宿泊した。三つとも、若きリーダーを中心に、伝統的な森林農業(アグロフォレストリー)を軸とする文化の再生や、ローカル経済の再創造を目指すモデルとして注目されているコミュニティだ。また、今やタイを超えて国際的に注目される北部タイのコーヒーの生産に取り組んでいる点でも共通している。 連載「レージーマン・コーヒー物語」の第4回は、ぼくが友人たちとコロナ・パンデミックで渡航が不可能になった2020年1月に、はじめてドイチャン・パペに訪れた時の記録だ。その後、2025年2月、そしてつい先日の訪問で見聞きし、学んだことについては、また次に機会に紹介することにしたい。 <レイジーマン・コーヒー物語 その4> ドイチャン・パペ村を訪れる 2020年1月、ぼくと仲間たちは、スウェとオシの案内で、ドイチャン・パペ村へ向かった。その村
信一 辻
2月28日


石木ダム計画の見直しを
「え,この川にダム!?」と、小さな石木川の流れを改めて覗き込みながら、坂本龍一さんはため息混じりに言った。 開発ブームの中、半世紀以上前にダムが計画された時の理由がどんどん消えていき、もう誰もはっきりしたことが言えなくなっている。理由もなく、ただ、「もう決まったことだから・・・」と言い続ける政治家と行政。ダムの専門家は言う、「こんなにでたらめなダム計画は見たことない」「治水どころか、かえって洪水の危険が増す」と。 背後にそびえる聖なる山、虚空蔵山からの水を集めて流れる石木川の清流の周囲に広がる、なだらかな丘と里山の風景。ここには稀に見る生物多様性と豊な自然の恵みが残っている。 その地を切り裂くように、今、ダム関連工事が進行する。しかし、強制収用後も移住を拒む四世代13世帯の人々は、棚田で米を育て、山菜やキノコを採り、庭で花や野菜をつくって楽しむ。子どもたちはみんな“川ガキ”。子育てを終えた女性たちは毎日のようにテントで座り込み、歌い、語り合い、今年100歳になるおばあさまも抵抗運動の先頭に立ち続ける。 みんなよく笑い、明るく、楽し
信一 辻
2月2日


レイジーマン・コーヒー物語 その3
蘇る伝統的な世界観 「トウモロコシの代わりにコーヒーを」というスウェたちの呼びかけに込められた深い意味を理解するために、ここで改めて、働き者だったジョニが、自らを“レイジーマン(なまけ者)”と呼ぶようになるまでの経緯を、振り返ってみたい。疫病と麻薬禍によって村落共同体や親族ネットワークといったカレン社会の基盤が揺らいだ危機の時代に、たびたび孤独と絶望の淵に立たされた少年ジョニにとって、伝統的な生活を守りながら細々と質素に生きる老人たちとの交流こそが生命線だった。そこで得た温もりを糧にするかのようにして、彼は自分を支え、懸命に働いた。 1970年代に北部タイで始まった国連の開発プログラムやロイヤル・プロジェクトに、ジョニも当初は希望を見出していた。このプロジェクトには二つの大きな狙いがあったといえそうだ。一つは、麻薬のためのケシ栽培を根絶すること。もう一つは、カレンをはじめとする少数民族による伝統的な“移動型焼畑”をやめさせること。これらの目的を、稲作と換金作物を組み合わせた近代的農業への転換によって成し遂げようというのである。...
信一 辻
1月17日
bottom of page
