ラダックで私たちが出会った”懐かしい未来”の今~ツアーレポート・その3
- ナマケモノ事務局

- 3 時間前
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Amchi and holistic healing:伝統治療
ラダックの高度にも慣れてきた4日目、私たちはシェイ村からシャラ村に移動。村に暮らすアムチ(伝統治療医)を訪ねました。アムチはチベット語で「ソワ(治す)・リクパ(智慧)=治す智慧をもつ者」とも呼ばれ、身体に病気が起こらないよう、予防的な生活習慣のアドバイスをする役割を担ってきました。食事療法で症状が改善しない場合は手術も行います。
ラダック王国時代、ラダック王はアムチを重用し、各村にアムチを配置していました。アムチは村の家々を頻繁に回っては皆に予防医学的なアドバイスをし、村人たちからも一目置かれる存在でした。税制面では村の労働や徴税を免除され、また、アムチの畑は村人たちが世話をしていました。
ところが、1834年、ラダック王国がゾラワール・シン率いる軍に敗れ、ジャンムー・カシミールの属国となり、その後、英国統治下に入ると、西洋医学に押され、伝統的なアムチのシステムが崩壊していきます。
21世紀に入り、アーユルヴェーダやチベット医学の再評価の機運が高まる中で、アムチへの再評価も高まり、ラダックでもアムチ医療に学び直し、後継者を育成しようというプロジェクトが現地NGOを中心に取り組まれているところです。


私たちが訪ねたアムチは67歳。43年ほどアムチをやっている大ベテランです。ダラムサラで6年間学び、26歳でアムチになったそうです。お酒や冗談も大好きとのことですが、まだまだ現役です。私たちのホストマザーもこのアムチに処方してもらった錠剤を飲んでいました。
診察方法は4種類。脈診、舌診、目診、顔診です。そのほかに、薬指(骨)、中指(肉)、人差し指(皮膚)を押すことで五臓六腑のどこが悪いかを診ていきます。採尿や唾液から症状を診ることもあります。薬を処方する際は、錠剤、粉末、エキス(発酵液)のいずれかの形になります。事故での骨折には鍼灸治療を施すこともあるそうです。
目に見えるものすべてが薬になる、21000種類の薬の処方があるとの言葉に、私たち日本人メンバーは「ええ!」と目を丸くします。花や薬草はもちろんのこと、土系、石系すべて。動物の骨や肉も薬になります。シャラ村の野山にあるものは自分で調達し、そのほかの薬の原料になるものは、ザンスカール、ヌブラ渓谷、チャンタンなどアムチどうしのネットワークで物々交換して入手します。インドから仕入れることもあるそうです。

Q:若い人からの風当たりはありますか?
A:アムチ学は、最近、再評価されている。西洋の薬には副作用があるということが認識されてきたからだ。
Q:アムチは動物も診るのですか?
A:私たちは人間しか診ない。動物には動物を診る医者がいる。
Q:代々アムチの家系と聞きましたが、何代目ですか?
A:一族で22人目のアムチになる。先祖に当たる初代アムチは、ラダック王国時代に、ラダック王が書いた書状を携え、チベットで6年間、アムチ学を修めた。そのこともあってか、ラダック王は王族の娘を先祖に嫁がせてくれた。自分は7人妻がいたが、4人が盗られ、3人が残っている。子どもは娘が3人、息子が1人。娘の一人がアムチを継ぐと言ってくれている。
3人の奥さんたちはお酒がつくるのが上手で、自分のつくったお酒を飲み干さないと怒られてしまう。それでこんな酒飲みになってしまったんだよ(笑)。
最後は本心か冗談かわからないような笑いに包まれてお話が終わりました。今回は、ツアーメンバー全員が脈診で健康状態をチェックしていただくという貴重な時間を設けていただきました。スカルマさん、ドライバーも含めた全員が「問題なし!」と太鼓判を押していただきました。一人、「本当にこの人わかるの?」という面持ちで脈診を受けた男性メンバーは、終わったあとにアムチから「私を試したでしょ?」とその内面を言い当てられてドギマギする場面もありました。
隣の部屋には、両壁に薬になる原料が収納されている棚と診察の机。全体的に暗く、また奥には薬師如来の絵も飾られていました。







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