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「しあわせの経済世界フォーラム2017」と、トフラー「生産消費者(プロシューマー)」 ナオキン

こんにちは!ナオキンです。

今回は(広い意味の)地域主義の第9回、「しあわせの経済世界フォーラム2017」の思い出と、それにつながる約40年前のある未来学者の「未来予測」についてのお話です(毎度のおーるどニュースで誠に恐縮です!)。

皆さん、2017年11月11日、12日は覚えていらっしゃいますか?

そうです、日本で初めての『しあわせの経済世界フォーラム』(2017 in東京)が開催された歴史的な日です!!



「しあわせの経済」提唱者のヘレナ・ノーバーグ=ホッジさんのお話を生で初めて聴け、考え方を学び、世界中でローカリゼーションの運動が広がっていることを知りました。

インド、中国、英ブリストル市長さん・・・世界各地の取組と考え方を学びました。広井良典さん、山崎亮さん、枝廣淳子さん、(故)大江正章さんはじめ多くの方々の知的刺激に満ちたお話、素晴らしかったです。辻先生と当ナマケモノ倶楽部はじめ多くの開催団体のプロデュース、フレンドリーな協力と手づくりの温かいホスト、交流も印象的、本当に心ときめき、心に残る二日間でした!!もちろん、国際フォーラム2018、2019も参加いたしました。ソーヤー海さん、堤未果さん、田中優子先生、鈴木宣弘先生、山伏の星野先達・・・驚くような学びの宝庫でした!!次回のリアルなフォーラム開催が待ち遠しいですね!


中でも、最も印象深かったのは、サティシュ・クマールさん、太陽のようなエナジーの源、オーラの泉のような方でした!!氏の力のこもったメッセージ、基調講演の主旨は以下のように記憶しています。


「ローカル経済をつくり出すためには、まず、自分の二本の手を祝福して、手を使いましょう!」

「ガンディーの言うスワデーシー、場所に基づく経済を、大地のエネルギーと資源を活用してつくり出しましょう!」

「ローカルな経済では一人ひとりが主役、あなたがつくり手、詩人、アーティストになるんです!」

「すべての人に、内なる創造性と想像力が備わっています。すべての人が特別なアーティストなんです!」

この感動的かつローカリゼーションの真髄であるようなお話は、その後、その内容の深さ、意味の深さについて考えてみる、愚輩ながら自分の中での問い、宿題となりました。


そして、このコロナ禍の月日の中で思い出したひとつが、未来学者アルビン・トフラー氏(1928~2016)の著書「第三の波」(1980年発刊)でした。


42年前の当時、来るべき文明論の世界的な大ベストセラーとなった同書、パソコンさえ普及していなかった時代、子どもの私も、小遣いでハードカバーの波の写真の表紙のNHK出版の本を買って読んでみてもちんぷるかんぷる?ただ、これから情報化でガラリと社会が変わるんだ、そういう未来の姿のイメージを初めて持った思い出があります。


この本は、文庫版(中公文庫)でも600頁近い大著ですが、今読み直すと大変興味深く、まるで現在の世界の課題をそのまま扱っているような錯覚に陥りました(現在の私たちが、まさに「第三の波」の変化の入り口にあるようです)。

要旨を自分なりに、ごくごくざっくりとまとめますと以下のようになります。

○現在は、農業文明の第一の波、産業文明の第二の波から、情報化による未知の情報文明「第三の波」への一大変化のただなかにある。

○これまでの産業文明が必要としていた産業第一主義、規格化・専門化・同時化・集中化・極大化・中央集権の原則、進歩・自然との闘い・進化の目的と方向性といったあらゆる構造は、すべてが問い直しをされていく。

それは、大衆社会から非マス化社会・「知識経済」化へ、脱規格化・個性化・多様化・非同時化(24時間のフレックスタイム)・適正(小)規模・分権化(官僚制から多元的なネットワーク組織)・分散化(地域志向)であり、あらゆる物事や力が相互に影響し合い共存する複雑な世界における、変化と無限の多様性を志向する新しい文化となる(生命の進化における分化現象のように)。

「第三の波」は、情報体系だけでなく、技術、経済、権力、生物、家庭生活、人間心理など、これまでのあらゆる体系に大きな変化をもたらすと予測される。

○政治においては、多様で複雑な相互関係から生まれ続ける現代世界、非マス化と変化が加速化する社会の問題群の山に、従来の政治リーダーによる指導力、政策決定能力、議会制代表民主主義では対応困難となり、新たな政治構造の再構築が求められる。

その原理は、少数派の尊重(討論の場の拡大、くじ引き民主主義等)、半直接民主主義(エレクトロニクス議会等)、決定権の分散(超国家・地方へ、全国一律の政策の弊害等)、そして、あらゆる立場の人をまきこんだ幅広い討論による「集団の英知」の発揮と考えられる。

○経済については、これまでの『市場化』の使命と過程は終わりを告げ、自分と家族、地域社会のために行う(無給の)仕事から成り立つAセクター(非市場経済・非金銭経済)と、商品やサービスの「交換のための生産」のBセクター(市場経済・金銭経済)の二部門が並立する経済の姿が現れる。そこでは就業や失業、経済の量的な成長の概念は現在ほど意味を持たなくなる。そして、この「超市場」とそこから生まれる豊かな「富」が第三の波の文明の大きな特徴、成果となる。

○そして、トフラー氏が「第三の波」の来たるべき未来の中心と想定するのが、実は『家庭』なのであり、工場、オフィスであった仕事の場が家庭に移る、という事になります。通信技術の発展と『エレクトロニクス・コテージ(住宅)』により、人は、通勤時間と、時間と空間の制約から解放され人口は分散化する。生産は小規模・小組織単位・自主管理の家庭内事業が主となり、省エネ化、地域社会とのつながり(共同社会)の回復、非営利活動や余暇、創造的活動の充実につながる。

すなわち、人々の意識と活動は、先述の市場セクターと非市場セクターが並立する経済の中で、自分の力でつくり出すという新たな傾向へ向かい、消費者と生産者が融合する『生産消費者(プロシューマー)』が第三の波の社会の担い手、キーワードとなる。多能・DIY・自給自足のよろこび、自分で手仕事をする誇り、独創的なアイデア・創造性を重視する価値観が生まれる。それは、第一の波の農業革命の担い手であった生産消費者の経済構造の復活とも捉えられる。

(まさに現在私達が経験している、コロナ危機によって未来が20年早まったと言われる在宅勤務の生活、その姿が予言の成就の始まりのようです。そして、サティシュ導師の言われる人間としての魅力的な暮らしかた、つくり手としてのライフスタイル像とまさに相似形ではないでしょうか?!)


○これからは、右と左の対立ではなく、第二の文明の波(産業主義社会)を守る人々と、第三の波の文明へ進む人々との闘い、人類の新しい文明の創造への過程となる。

「第三の波」はあくまでトフラー氏個人の未来予測ですが、この驚くべき未来像の内容は、現代の私達自身が未来を改めて考えるための手がかりとなるような、巨視的で豊かな可能性を感じます。

そして、「しあわせの経済」の姿が、先住民や祖先の暮らしに見られる、人と自然、人と人との距離が近く、繋がりの濃い、土地に根ざした本来の人間らしい暮らし、伝統的な暮らしとその叡智・文化・価値観の社会への回帰という面だけでなく、情報化のテクノロジーの恩恵も活用して可能となるこれからの「第三の波」の文明観で、予測される未来の社会像と暮らしの姿とも共通する部分が極めて大きいこと、市場における神の見えざる手や技術のイノベーション任せではなく、こうした人間の叡智の結集から導き出される実現可能な未来予測とありたい姿のビジョン(トフラーは『プラクトピア』と名づけている)を選び取り共有すること、進捗の確認や制御も非常に重要ではないかと思うのです。


いずれにせよ、40年前の未来学者の驚くべき予測の知性の力に、「アルビン・トフラー先生恐るべし!!」の一言が今回の心からの実感であります。


いつも、古くて硬いような記事で恐縮です!小生もナマケモノ読者として、みなさんの自由自在で、楽しい、しあわせの経済にもつながるようなしんぶん記事を心待ちにしております!!


最後までご覧いただき、ありがとうございました!




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