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執筆者の写真ナマケモノ事務局

「日本のガンディー」と「草木の精」  ナオキン

こんにちは!ナオキンです。今回は、現在再び脚光を浴びている、四国の生んだ農業と植物研究の偉大なお二人について触れさせて頂きます!



●福岡正信(『日本のガンディー』)

小生の本棚には福岡正信先生の本が二冊あります(写真)。一冊は昭和の終わり頃に、もう一冊は亡くなられた後に総括編として出版され、311の後に購入したものです。

当倶楽部が進めるムーブメント、ゲイブ・ブラウン著「土を育てる」を読み、

映画「君の根は。」を観た後で、福岡さんの本を読み直してみて、圧倒的に胸に響き渡ってしまいました!!


「自然農法~わら一本の革命」、約50年前の発刊本ですが、現在に至る農と食の問題点、そして、提唱される「自然農法」とその哲学、世界観がすべて語り尽くされているように感服してしまったからです(私自身は家庭園芸のまねごと位しか経験がないので、農業について言える立場ではないのですが。読み方が常識に囚われて浅かったみたいです。)


これまでは福岡さんの人生を変えた体験の部分ばかりが印象に残っていました。若い頃に横浜税関の植物検査課研究員として勤め、日中は顕微鏡で自然界の極微の不思議な世界を観察し、夜は青春を謳歌する生活から、肺炎で入院した体験を契機に人生に悩み、25歳のある朝「この世には何もないじゃないか」という気づき(悟り!)を得て、直ぐに故郷四国へ帰りました。

「総括編」の著者略歴は二行のみです。

・大正2年2月2日 伊予市大平に生まれる。

・昭和12年5月15日 横浜に於て開悟、自然農法の道一筋


「わら一本の革命 総括編~粘土団子の旅」(2010年)では、これまでの思索の到達点と95歳まで生涯現役の実践の記録が豊富な写真と直筆の図とともに示されていました。人生の後半では、100種類以上の種を粘土、堆肥、肥料で固めた「粘土団子」で、世界中で砂漠の緑化に取り組み成功を重ね、インドでは「日本のガンディー」と賞賛されたそうです。ひとりの気づきと活動が現在のリジェネラティブ農業、そして今後の世界の食と農、環境に影響を与える大きな可能性、

なんと不思議で、一途で、まるで自然に祝福されたような生き方でしょうか!感嘆して止みません。


ささやかながら、自分でも何か育ててみたい気持ちと、現在、無農薬農法や自然農法、エコビレッジづくりに関わっている方々をさらに応援したい気持ちになりました。

「自然というものよりは、人間の知恵、人間の考えた、真、善、美の方が偉大なように錯覚しているが、一度でも、その田圃の中の小さなドラマや驚異の世界を見てみたら、そんな、人間の知恵とか、考え方というものが、いかに浅薄なものであるかということが、一見してわかるはずなんですけど。」(自然農法~わら一本の革命」より)




●牧野富太郎(『草木の精』)


昨年の夏頃、某書店の講談社学術文庫の書棚で、青色一辺倒の背表紙のなかで黄色とピンクの目立った二冊の新版を見かけました。

「牧野富太郎自叙伝」

「植物知識」


自叙伝の表紙には、こう記されています。

「私は植物の愛人として この世に生まれ来たように感じます。あるいは草木の精かも知れんと 自分で自分を疑います。」

そうです、2023年NHK朝の連続テレビ小説『らんまん』の主人公のモデルが「日本の植物学の父」牧野富太郎先生(1862~1957)になったんですね!


土佐の酒蔵の出ながら、小学校は自主退学、生まれながらの植物好きが高じて、子だくさんの借金貧乏生活で妻の支えを受けながら、学問の世界の壁に当たりながら、ひたすら独学で植物の研究に打ち込んだ生涯で、「日本植物誌」編集、採集標本実に60万点、命名植物2500余りの金字塔を達成、95年の生涯の晩年まで現役で人生を楽しみ続けた人物!!このような方の人生を半年間、毎朝ドラマで観られるなんて、NHKナイスチョイスです!!


(昔は朝ドラファンで、長年仕事で遠ざかっていたのが、NHKプラスで毎日観れるようになって嬉しい限りです。「エール」と「カムカムエヴリバディ」は名作でした!)

主演俳優の神木隆之介さんと妻役の浜辺美波さんが、きっとぴったりの役柄で熱演してくれることでしょう!若い世代の人達の生き方の良きロールモデルにもなるのでは、期待します。


「私は、草木に愛を持つことによって、人間愛を養うことができる、と確信して疑わぬのである。もしも私が日蓮ほどの偉物であったなら、きっと私は草木を本尊とする宗教を樹立してみせることができると思っている。自然の宗教!その本尊は植物。」(「植物知識」あとがき、新版裏面より)


ご覧いただきありがとうございました!

(地域主義12回おわり)



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