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新しい学校が生まれる! ムダ活としての学びと遊び


去年8月開校間近の校庭に馬がやってきた

うれしいニュースが届いた。いよいよ、北海道、長沼に「まおい学びのさと小学校」が開校するのだ。その旨、聞いてはいたが、こうして、印章入りの手紙で細田校長からのお知らせをいただくと、また感慨が湧いてくる。ぼくでさえそうなのだから、長年にわたって開校に向けて準備されてきた細田さんはじめ、関係者、支援者の皆さんのお喜びはいかばかりだろう。



手紙はA. S. ニイルの言葉から始まる。「まず、子どもを幸福にしよう、すべてはそのあとに続く」。これが、新しい学校の教育理念なのだという。やはり、同じ考え方をもとにしてつくられた「きのくに子どもの村学園」をはじめとする「子どもの村」教育をモデルにしながら、「北海道らしい自然や環境を活かし、地域に飛び出し、地域の人々とのつながりから興味や関心を広げ、人間性豊かな体験的学習活動に取り組んでまいります」と細田さんは言う。


「まず、子どもを幸福にしよう、すべてはそのあとに続く」

この美しい真実から、しかし、ぼくたちの社会はいかに遠いところまで来てしまったことか。政治も行政も、少子化対策といっては、あれやこれやの予算をたて、婚活や妊活まで奨励して大人たちに圧力をかける前に、子どもを幸福にするという、ただこのことに思いを巡らしたことがあるのだろうか。子どもたちが幸福になれない世界に、新しいいのちが喜んでやってくるだろうか?


未来がすぐ目の前にあるのに、相変わらず、経済成長やテクノロジーの進歩にしか未来を見出せない人たちが社会を牛耳っている。その人たちが学校教育のあり方を左右している。そんな社会は、学校は、変えないといけない。しかし、変わるまで待っているわけにもいかない。幸福に生きなければならない子どもたちが、今ここにいっぱいいるのだ。少子化? そうかもしれない。しかし、いるじゃないか。ここに、こんなにたくさんの美しくて小さい人たちが! その子たちの学校を、できるところからつくり始めるしかない・・・


「まおい学びのさと小学校」の開校年度の入学者は1年生から4年生まで合計55人。4月には、入学式という「儀式」の代わりに、「子どもたちと保護者が将来の夢や希望に向かって旅立つ」ことを祝う集いが行われるそうだ。



この手紙で、特にぼくの目をひいたのは、細田さんの名前の横に押された大きくて四角い印章だ。こんなに自由な精神に溢れた学校にしては、なんかやけに古めかしいなあ、と思って見ると、その四角のいちばん上の列で、両手を上げて踊っている子ども3人が目に飛び込んできた。それは「学」という字の「子」の部分なのだが、そのすぐ上の「かんむり」の「ツ」部分も、まるで下の「子」に呼応するように両手を広げているではないか。すばらしい! この字をデザインした人は、きっと「学」という言葉に込められた本当の意味を理解しているにちがいない。それが、「まおい学びのさと小学校」とそれに関わるすべての人々の思いにしっかりとつながるものであることをぼくは感じている。


ぼくもそこにつながろう。そして踊る子どもたちとその楽しい学び舎の門出を両手を広げて祝いたい。


「赤いとんがりぼうし」は学校のシンボル





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