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日本でも”戦争”は止まない 奄美からの手紙

  • 執筆者の写真: editor
    editor
  • 6月24日
  • 読了時間: 5分

ナマケモノ倶楽部のみなさん、

お久しぶりです。


戦争は人間が人間に仕掛けるものばかりではありません。日本では、相変わらず、残酷な自然への戦争が続けられています。そしてそれを多くの人が支持し、多くの人が黙認している。5月末には、九州の会員たちと一緒に、長崎県川棚町に計画され、すでに住民の反対を押し切って着工されている石木ダムの現場を訪れ、水底に沈むことになっている場所に今も暮らす13世帯からなるこうばる地区の方々と交流してきました。


その報告はまたにして、今日は、ぼくが全く知らなかった、しかし、とても重大な問題について、奄美大島からの報告が届いたので、それをみなさんに紹介します。その中に、「ナマケモノ倶楽部の方々がとても行動力があるとお聞きして、気になっていた」とあり、ギクっとした。ぼくたちナマケモノ倶楽部は本当に行動力があるのだろうか?それは大いに疑問だが、ぼくは信じているのだ。ぼくたちは、きっと大きな行動力を”秘めている”のだと。


ぼくはこの数年、自分一人でもいいから、動ける時には動く。直感に突き動かされて、現場に身を置いてみるようにしています。それが何になるのか、何の役に立つのか、はわからないけど、とにかく、できることをやってみる。その結果が”ムダ”だった、としてもいいのです。


奄美大島にぼくもいつか縁があれば行こう。

それまで、何とかこの世にも美しい海岸が守られるように祈ろう。

そしてそのために諦めずに運動している人たちを応援しよう。


もしも、そこに行ける機会があるという人はぜひ、行ってみてほしい。そして、下のメッセージをくれた山北さんに会ってきてほしい。


____________

突然、こんなメッセージが届いた。


ずっと以前函館市アースデイで

函館の海沿いで廃油ランプで火を灯したとき

音楽家として「モッタイネーヨ」という曲を演奏しました

アフリカン打楽器奏者の山北 のりひこと申します。」


 それはぼくがまだ海外から日本に帰ってきて間もない20年以上前の話だと思う。ぼくは函館に住む友人、知人たちが進めていた、脱原発運動の一環として、自分たち自身の風車をつくるムーブメントに遠くから参画していたのだ。教員をしていた友人は毎年、若者たちと海辺でキャンドルナイトのイベントを催し、キャンドルの灯りでメッセージを描くのだった。


当時は道南に住んでいましたが

現在は奄美大島の嘉徳(かとく)という世界遺産地域の集落に住み

現地で行われようとしている全く必要のない護岸工事を身体を張って止めています。

 こちら嘉徳は奄美に109ヶ所ある集落前の砂浜のうち、108箇所が護岸化されてしまい

最後にたったひとつ残った貴重な砂浜です。

世界自然遺産バッファーゾーンに指定されているにもかかわらず、国際機関に事実を伝えずに、無理やり開発が進められていくので・・・

自分は音楽家の仕事もままならない状態のまま、もう三年以上座り込みを続けています。

 この行動がなければもうこの浜は砂が消えてなくなっていたと予想されます。

 今はまだ浜は手付かずです。

ナマケモノ倶楽部の方々がとても行動力があるとお聞きして、気になっていたら、辻信一様のアカウントを見つけて、思わず友達申請をしてしまいました。」

 

______

 

山北のりひこさん、

ご連絡ありがとう!

モッタイネーヨ!

いいですねえ。

奄美の最後の天然の浜を守る。すばらしいご活動ありがとう!

その趣旨を書いたもの、状況説明などがあれば送ってくれませんか。

ぼくにもシェアできるもの、広報できるものがあれば、、、

辻信一

_______

 ​



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<嘉徳浜全景写真>

「ありがとうございます!!!

 あまりまとまったものがないのですが

ホームページがあるので

とりあえずそれを送らせていただきます。


嘉徳浜全景です。

冬になると写真奥に流れ込む川が

河口をどんどん移動させて、

海にまっすぐ流れず

蛇行して一番手前から海に流れ込むようになります。

それがこの景色を作ります。


「ここでおこなわれようとしている工事の問題点をまとめてあるので

お送りさせてください。たくさんあって大変なのですが・・・

・IUCNに対して浜の現状や護岸の位置が正確に報告されていない事

(護岸と川の距離が十分に離れていると説明しているが、実際は川が曲がる時期に護岸基部が川に接してしまう事を報告していない。

護岸は陸地に作るから波で砂浜が減る事はないと報告しているが、実際には護岸の建つ位置が浜の変動帯にあるため、護岸の存在により侵食が起こってしまう事が予想される。

浜の砂がすでに回復している事実を報告せず、急いで対応する必要があると報告している事)

・現時点で浜の侵食は起こっておらず、防災性が保たれている事を多くの専門家が認めている事

・護岸工事で生態系に悪影響があるため、計画を見直しするように、

3つの学会が2度にわたって要望書を出しているにも関わらず、学術的な内容の返信をしていない。

・世界遺産条約に定められた内容(住民の意見を尊重し、物事決定する時に期限を設けないなど)を完全に無視して反対意見の住民を排除して工事を強行している。

 ・実際に継続的な侵食が起こっていないにも関わらず、公金を使って工事している事

 こんな問題点があります。

 ​

​「そのほか、この浜の開発に際して浜の近くの私有地が海側に伸ばされるという奇妙な事が行われています。本来国有地だった場所が国民の了解を得ずに

私有地に変えられているんです。

これは謎なのですが守るべき面積が少ないと護岸が作れないという決まりがあり

それを満たすために私有地を広げた可能性があるとの考えが出ています。

いずれにしてもそんなことが国民に無許可で行われているのです。

 

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(地図の)上が海、下が陸

赤い線が元々の私有地、青い線が広げられた私有地。

場所によっては面積が6倍に。

全て海側に広げられています。


 本当に美しい場所です。


浜の真ん中あたりから手前まで180メートルの護岸が出来上がります」


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山北さんは最後に、BBCの英文記事も送ってくれた。

海外の知り合いで興味がありそうな人がいたら、ぜひ送ってあげてほしい。

<BBCの記事>

 

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