こんにちは、矢野宏和です。
それぞれの地域ならではの取り組みってありますね。今日は、私が住む地域の、ちいさな取り組みを通して感じたことを共有させていただきます。
ある日、絵本の読み聞かせのために訪れたこども園で、見覚えのある服を着た、キリン組の男の子をみかけました。それは機関車トーマスのワッペンがついたブルーのジャンパー。我が家の3人の男子も、幼き頃、それを着ていたのです。
私が住む地域にある「子育て支援センター」では、定期的に「おゆずり会」という催しを企画してくれていて、もう使わなくなった子ども用の靴やチャイルドシート、服などが持ち寄られ、「お譲り」されます。
希望者が多い品物についてはくじ引きでの勝負になりますが、基本的には望むものを無料で手に入れることができ、心待ちにしているママ、パパは多いのです。その青いトーマスのジャンパーも、我が家で着回した後、「おゆずり会」に持ち寄って、キリン組の彼に行き着いたのでした。長年、愛され続ける機関車トーマスと同様にガッチリとした作りのジャンパーは長持ちで、今も小さな子どもを温かく包み込んでくれています。抱きしめればすっぽりと腕のなかに納まってしまうほどジャンパーを着たの男の子は小さくて。
昨年、大学生になって速攻で家を出ていったソウタも、今では全く口をきいてくれなくなったヒナタ(中三)も、第一志望は忍術学園「は組」のマヒロ(小4)も、かつては、それを纏えるぐらい小さかったのか。私の記憶のなかで、彼らの姿がしゅるしゅると変形しそのジャンパーを着ていたころの小さき人となって蘇っていきます。
じんわりと、愛おしさがあふれ出てくるのが心地よく、私はしばらく、キリン組の男の子を眺めながら記憶の中の小さな子どもたちと戯れていたのでした。
「おゆずり会」という地域の小さな催しが、ふとした拍子に生み出してくれる、小さな風景。とてもありがたい、しあわせなプレゼントでした。
2021/5/26投稿 矢野宏和
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