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執筆者の写真信一 辻

札幌のカフェで

長沼に行く前に、札幌で一泊。この春卒業し、故郷に戻って就職した元ゼミ生が会いにきてくれた。そしてワールド・ブック・カフェという素敵なカフェに案内してくれた。



彼女は以前とは見違えるほど表情が明るくて、饒舌だった。「北海道に戻ってきてよかった」と何度も言う。大学の頃のアパート暮らしは辛かった。空気も悪いし、ご飯もまずいし、いつもどこかで生きづらさを感じていた。。でも今は、仕事は楽しいし、週末には山歩き、高校時代に始めて、大学時代には中断していたヨガを再開した。明後日から上映されるグレタ・トゥーンベリの映画「グレタ」を見にゆくのが楽しみだ、と言う。ゼミを振り返って、ブータンや北部タイに行ったり、田んぼをやったり、フライデー・フォー・フューチャーのデモに行ったり、卒論でアイヌの視点から北海道を見直すことができたことが大きかった。もし、それらがなかったら、私はきっと他の人にならって、今頃、東京で就職して、不本意な生き方をしていたと思う、と言う。


晴れ晴れとした彼女の姿を前に、これから一週間の旅に向けて、いいエネルギーが自分のうちに湧き出るのを感じた。と同時に、卒業後も故郷に帰らずに東京に残って就職した多くのゼミ生のことを思い、祈るような気持ちになった。


ぼくたちは安易に、今の若者は無関心で・・・と言ったりする。でも、その前に、ぼくたちの方が、彼らに思いを、関心を寄せているのか、と自問してみるべきだ。ぼくたちがもう少し彼らのことを気にかける(We care)だけで、彼らのうちから、抑え込まれていた関心(I care...)が解き放たれるのではないか。




札幌大通公園で銀杏を拾う若い採集民たち

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