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ガンディーのアヒンサー(不殺生・不傷害)とスワラージ(自治) ナオキン



私は地域づくりや自治への関心が入り口でしたが、「スモールイズビューティフル」のシューマッハーは、彼の運動の出発点はガンディーのチャルカー(手紡ぎ糸車)だったと語り、ルイス・マンフォードはガンディーを「現代における最も重要な宗教家」と呼び大きな影響を受けていた事をはじめ、地域主義の源流には必ずガンディーの存在があることが分かってきました。


また、今こそガンディーのアヒンサー(不殺生)の教えが切実に響いてくる時はありません。

そこで、地域主義の第4回はガンディーの遺した言葉と行為の遺産について、かけだし者でお恥ずかしいですが、若い仲間の皆さんと共有できればと思います。

アヒンサーについて


アヒンサーは一般に非暴力と訳されていますが、本来はア(否定)ヒンサー(殺生・傷害)、不殺生・不傷害(傷つけない)、万人やあらゆる生命への愛、尊重の態度の事だそうです。


ガンディーはヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教、キリスト教、イスラム教、ゾロアスター教等を学びました。そして、人間が不完全な存在であるがゆえにそれぞれの宗教は不完全であるが、全ては様々な葉を繁らせるひとつの大きな樹であるとして、人類共通の「真理」(サティヤー)を見出しました。その真理の最上位の崇高な形(手段)が「アヒンサー」なのだそうです。


ヒンドゥーのヴェーダの歴史からみても少なくとも三千年前(日本の平和な縄文を考えたら一万年以上前?!)から積み重ねられてきた伝統的な智恵が人々の共通の精神の土壌にあったからこそ、人類はこれまで存続できたのかもしれません。ガンディーは政治と真理(精神性)の繋がりを重視しました。人間として当たり前のはずの平和の願い、真理が実現されますように!!


断食について


断食と言えばお釈迦様をはじめ宗教の修業を思いおこしますが、最近ではグレタさんのハンガーストライキが久々に世の話題となりました。


古くから人々の救済のために、断食により自分の生命を賭けて祈願をする人々と、それを敬う人々の精神性の伝統がありました(日本各地にもその伝承や史跡があり、私も信州伊那谷で祀られている「新野の行人様」という即身仏(ミイラ)を拝観した事があります)。


ガンディーは自身の断食の行為で人々の心を動かし、ヒンドゥー、イスラムの対立抗争を和解に、インドを独立に導きました。先進国をはじめ現代に生きる私達一人ひとりが、少しづつでも自らの欲望を抑制する象徴としてガンディーの行為のマインドを思い起こしたならば、世界が直面する巨大な諸問題の解決への道筋が開かれるかもしれません。


スワデーシー

スワデーシーは「国産品愛用運動」と訳されていますが、本来の意味はスワ(自ら)デーシー(国、大地)とのことです。身土不二の土地との繋がり、地産地消、地域に根ざして支え合いで生きる、【スワラージ】(独立・自治・自己統治)の根幹であり、自治の本質を考えさせられる思想です。


塩の行進

人間の生存、暮らしに本当に必要なものは自分たちでつくる、象徴的な運動であり、「歩く」ことで民衆自らが意志を示す重要性を表しているようです。


チャルカー(手紡ぎ糸車)

ガンディーのスワデーシーと、行き過ぎた物質文明・機械文明批判の象徴であり、シューマッハーの適正技術(中間技術)、仏教経済学のインスピレーションの源となりました。

よいものはカタツムリのように進む

辻先生のお話と数々の著書から、私達はこの言葉をより深く味わい、その意味を様々に考える材料を頂いています。


獄中からの手紙

NHKEテレ「100分de名著」で2017年に放映されたガンディー著「獄中からの手紙」をテキストを手にNHKオンラインで改めて視聴、中島岳志先生のお話が感動的で、本を読むための最良のガイドになりました。特に、紹介のあった、飢えながら祈る、という表現と「言葉のほんとうの意味における文明は、需要と生産を増やすことではなく、慎重かつ果敢に、欲望を削減することです。」というガンディーの言葉は当に至言、と感じました。


身の丈の経済


ガンディーのことが知りたくて、昨年PARC主催のオンライン読書会に参加、香川大学の石井一也教授の著書「身の丈の経済論」を拝読し、お話を視聴させて頂く機会を得ました。(読書会なのにほとんどリアルで参加できずご迷惑をおかけして、石井先生申し訳ありませんでした!)


石井先生は南北問題研究の大家、故西川潤早大教授の教え子であり、ガンディー研究への大変な熱量とオープン(で率直、温か)なお人柄を感じる講座でした。


特に、ガンディーの思想から、経済発展から「身の丈の経済」へ、人と人、人と自然の間のコンヴィヴィアル(生き生きとした自立共生、イリイチの言葉)な関係による永続可能な社会づくり目指す思想を「もうひとつのポスト近代主義」と定義され、ガンディーを受け継ぐ系譜としてシューマッハーをはじめ、(サティシュ・クマール)、ヴァンダナ・シヴァ、(スラック・シワラック、ダグラス・ラミス)、ジェレミー・リフキン、(セルジュ・ラトゥーシュ)他の諸氏を位置付けた大きな流れとして紹介されている事に大変共感しました。


ガンディーの言葉より

「平和への道はない、平和こそが道なのだ」

「人間の心の中には、闇の力と光の力の間で永遠の戦いが激しく行われています」

「世界の運命を暴力によって蹂躙させない唯一の方法は、私たち一人ひとりがあらゆる暴力を肯定しないことにある」

「アヒンサーは私の信念の第一章であり、また私の信条の最終章でもある」


おわりに

バープーの祝福とアヒンサーが再び世界に満ちますように、皆さんと共に祈りたいと思います。

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