どうしたら、世界はもっと幸せな場所になるでしょう!?
人類が今直面している数々の危機は、みな密接につながっています。地球温暖化から金融メルトダウンの危機まで、感染症のように広がる鬱病、不寛容、憎しみから、全体主義的な勢力の台頭と民主主義の衰退まで・・・。これらすべての事態が私たちに警告しています。今こそ社会に深く、大きな変化が必要だ、と。
ますます多くの人びとが、グローバル経済こそが問題の根源にあることに気づき始めています。今や経済というシステムそのものを変えることこそが、人類の最も緊急な課題となっているのです。
私たちはこう考えています。数々の危機がつながっているように、それを解決する方法もまたつながっている。そして答えは今までと根本的に異なる考え方の中にある、と。経済を成長させよう、成長しているように見せかけよう、という虚しい努力を続けるかわりに、私たちは、人間にとっての、そして自然界にとっての真のニーズ、つまり、本当に大切なことにこそ意識を集中するべきです。まずは、自分たちが自然界の一部であり、自然に支えられてこそ生きられる存在であることを思い出すこと。そして、自分たちがいかに切実にコミュニティを必要とする存在であるか、ということに気づき直すことです。
今こそ、私たちの経済活動をグローバルからローカルへと大きく転換し、経済という仕組みそのものを、もう一度自分たちの手に取り戻す時です。そのために、グローバル化へと進んできたプロセスを巻き戻すような政治的な改革に着手しましょう。その一方で、地域により健全な生態系やコミュニティをよみがえらせるためのローカリゼーションを進めるのです。
ローカリゼーションは、生態系にも、社会にも、そして個々人にも“癒し”をもたらしてくれるでしょう。ローカル経済は、壊れかけた住民同士のつながりを、また人間と自然界とのつながりを修復する役割を果たすでしょう。こうしてよみがえるつながりは、私たちの幸せな人生のためばかりではなく、私たちの生存のために不可欠なのです。
「しあわせの経済」国際フォーラム2019呼びかけ人代表
ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ
辻信一
Comments