寿司桶がやってきた  いのゆり



我が家に、新しい仲間がやってきました。

長崎五島の桶職人、「桶光」の宮崎光一さんが手がけた、寿司桶です。箱を開けると杉のいい香りが漂い、桶を手に取ると、優しく力強く、温かみのある感触。タガは竹製で、美しくきっちりと締められています。予想通りの仕上がりに、思わずニンマリしました。


かつては村々に必ずいたといわれる桶屋さん。現在、全国で40軒ほどで、九州には2人しかいません。しかもそのほとんどが高齢者という中で、宮崎さんは29歳!小学生の頃から桶作りを続けてきたそうです。


木桶は、ホームセンターなどでも安価で売られていますが、工業製品として大量生産されるそれらの商品に比べて、桶光の桶は、ひとつひとつ手作業で職人技が光ります。材料も厳選し、よく乾燥させるなど、丁寧に時間をかけて作っています。壊れにくく、修理も可能で、長く使えます。一見高額に見えますが、どちらが得なのでしょうか。


実は以前まで、うちには桶は必要ないかな、と思っていました。我が家は、調理器具にはちょっとこだわっていて、鉄のフライパン、木こりが作ったイチョウのまな板、料理人の夫が長年愛用する包丁と研ぎ石、ホーロー鍋、ごはんを炊く土鍋は2代目、木ベラ竹ベラ木のしゃもじ、すり鉢すりこぎ、ワッパの弁当箱や漆碗など、10年ほどかけてコツコツ集めたり譲ってもらったりしてきました。ただ、鹿児島の梅雨時期の湿気が凄すぎて、なかなか桶を新調する勇気がありませんでした。


でも、桶光のおひつを手にとったとき、暮らしにこの桶があったら幸せだな、と思えるほど、桶の美しさと機能性に感動しました。迷わず購入を希望すると、注文を受けてからの製作とのことで、4ヶ月ほど待って、先日ようやく我が家に新しい桶が届きました。さっそく、桃の節句にちらし寿司を作りました。最高でした。


大事に使って、修理をしていけば、50〜100年は保つという桶。宮崎さんは、自分の作る桶は、伝統工芸品というより、民芸、家庭の中で使ってもらえることを念頭に作っていると言います。そして、桶を作ったり直したりできる人が増えてほしい、と、桶作りを伝授したり、タガの締め直しなどのワークショップを開催したり、といった普及活動も積極的にしているそうです。


大切に、でも日常的に、使っていきたいと思います。

次はおひつと味噌樽がほしい・・・!


>>桶光ウェブサイト



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