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地球を平和な星にするために 中村隆市

10/16(木)夜、高橋真樹さんオンライントーク「もしも君の町がガザだったら~パレスチナ問題と向き合うために」(申込はこちら)に関連して、フェイスブックにこんな記事を書きました。中村隆市


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【地球を平和な星にするために】


2年前の2023年10月7日。ハマスによる攻撃と、それに対するイスラエルの報復から始まった戦争は、2年を経た今もなお終わることなく続いています。この間、イスラエルによるガザ攻撃は苛烈を極め、ついに国連調査委員会は公式に「ジェノサイド(集団虐殺)」と認定しました。


子どもや女性を含む無差別爆撃、学校や住宅地、避難所を標的にした攻撃、難民キャンプの爆撃、集団処刑・恣意的拘束、子どもの拉致や拷問、パレスチナ文化人・作家の暗殺、病院や救急車など医療施設の破壊、発電所や浄水施設の破壊、水・食料・燃料の封鎖による意図的な飢餓政策、人道支援物資の搬入妨害、化学兵器・白リン弾の使用、病人やけが人の国外搬送阻止、救急隊員や医師を狙撃、人道支援スタッフを殺害、農地・オリーブ畑の破壊、飲料水源の汚染、医療機関への燃料供給を意図的に遮断、食糧倉庫の破壊など――


生きるためのすべてが標的にされ、人々は日々、命と未来を奪われ続けています。


その現実を世界に伝えようとしたジャーナリストさえも狙われ、国連によれば2025年8月11日までに殺害された報道関係者は242人にのぼりました。


ガザ保健省は、この2年間で6万7000人以上(うち子ども約2万人)が殺害されたと発表しています。世界的な医学誌『ランセット』は、実際の死者数が数十万人に達する可能性を指摘しています。


日々、身近な人々が殺され、負傷する光景を見続けてきた子どもたちの心には、深刻な傷が刻まれました。


こうした非人道的行為が明らかになるにつれ、世界の世論は大きく変わりました。


「これ以上ジェノサイドを許してはならない」――その声は爆発的に広がり、世界各地で大規模なデモや市民運動が起こっています。


「各国政府が何も行動を起こさないから、市民がやるしかない」と44か国の市民が50隻の船で飢餓と病に苦しむガザの人々に食料や医薬品を届け、封鎖を破ろうとした「グローバル・スムード船団」の勇気ある行動は世界を揺さぶり、連帯の輪をさらに広げました。


かつて南アフリカのアパルトヘイトを終わらせたように、イスラエルに対しても、国際社会が政治的圧力を強め、経済・スポーツ・文化の各分野でボイコットが進んでいます。


世論の高まりは、各国政府をも動かし始めました。これまでイスラエルを支持してきた国々も次々とパレスチナを国家として承認しました。2025年9月時点で、国連加盟193か国のうち157か国、実に81%がパレスチナを承認し、さらに承認を表明する国も続いています。


それでも戦争が止まらない最大の要因は、イスラエルを後ろ盾として支え続ける米国です。国連でのジェノサイドを止めるための決議は米国の拒否権でことごとく阻まれ、イスラエルの武器の大半は米国から供給されています。米国の政治と軍需産業をはじめとする経済の構造こそが、惨劇を長引かせてきました。


米国が武力と資金で支援し、国連決議を拒否権で封じ込めなければ、これほどの惨劇は起き得なかったのです。米国の責任は、イスラエルと並んで極めて重いのです。そして米国に追従し、いまだにパレスチナ国家を承認せず、平和のために動かない日本も責任を免れることはできません。


しかし米国内でも変化が生まれています。イスラエルへの批判は急速に高まり、2025年4月の世論調査ではイスラエルを否定的に見る人が11ポイント増えて53%に達しました。


歴代米大統領で最もイスラエル寄りのトランプ大統領への批判も強まっています。そうした国内外の世論が今回の「トランプ和平案」を生み出したのです。


しかし、彼は2020年にも「和平案」を提示したことがあります。その内容はあまりにもイスラエル寄りで、パレスチナ自治政府に拒否されました。今回の彼は、国内外の世論を意識した提案をしています。

世界が関心を持ち続けることが、とても重要だと思います。


この2年間でのガザの犠牲者、

ハマスの攻撃による犠牲者、

それ以前の数十年に及ぶ入植・占領・封鎖・爆撃で失われた命。

そしてナチスのジェノサイドで奪われたユダヤ人の命。


短い生涯しか生きられなかった子どもたちや若者たち

全ての犠牲者に心を寄せるとき

私たちの胸に浮かぶのは――


「これ以上、暴力を許してはならない。殺戮を繰り返してはならない」ということです。


先週、91歳で他界された世界的な霊長類学者で環境保護活動家のジェーン・グドールさんは、昨年こう語っています。


「世界中で戦争や武力紛争が続いているようです。ロシア・ウクライナ戦争、ガザにおけるジェノサイドを引き起こしたイスラエルとパレスチナの継続的な紛争・・・そして、私たちは自然界に対して、森林伐採、汚染、鉱業、水圧破砕法、そしてしばしば有毒な化学殺虫剤、除草剤、人工肥料を使用する工業型農業といった、絶え間ない攻撃を続けています。


もし誰もが、あらゆる宗教に共通する黄金律――“自分がしてもらいたいことを、他の人にもしてあげなさい”――に耳を傾けたら、世界はどうなるでしょうか。そして、その『他の人』には、動物も母なる自然も含まれているはずです。」


当日、多くの皆さんと一緒に高橋真樹さんの話を聞ければ、幸いです。

オンライントーク申込先 https://1016gaza.peatix.com/


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