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レイジーマン・コーヒー物語 その3
蘇る伝統的な世界観 「トウモロコシの代わりにコーヒーを」というスウェたちの呼びかけに込められた深い意味を理解するために、ここで改めて、働き者だったジョニが、自らを“レイジーマン(なまけ者)”と呼ぶようになるまでの経緯を、振り返ってみたい。疫病と麻薬禍によって村落共同体や親族ネットワークといったカレン社会の基盤が揺らいだ危機の時代に、たびたび孤独と絶望の淵に立たされた少年ジョニにとって、伝統的な生活を守りながら細々と質素に生きる老人たちとの交流こそが生命線だった。そこで得た温もりを糧にするかのようにして、彼は自分を支え、懸命に働いた。 1970年代に北部タイで始まった国連の開発プログラムやロイヤル・プロジェクトに、ジョニも当初は希望を見出していた。このプロジェクトには二つの大きな狙いがあったといえそうだ。一つは、麻薬のためのケシ栽培を根絶すること。もう一つは、カレンをはじめとする少数民族による伝統的な“移動型焼畑”をやめさせること。これらの目的を、稲作と換金作物を組み合わせた近代的農業への転換によって成し遂げようというのである。...
信一 辻
1月17日
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