ローカリーゼーション運動を牽引するヘレナ・ノーバーグ=ホッジさんから届いたメールマガジン9月20日号を辻さんが和訳してくださったのでみなさんに共有します。
「私たちはグローバル企業のような富と影響力を持っているわけでもありません。でも、私たちにはピープル・パワーがあります。」と呼びかけるヘレナさん。9/23にニューヨークで開催される「国連食料システムサミット」。国連が主導するから中立的な、人々のためのシステムづくりの場なのでは?という淡い期待は、下記の記事を読むとそれが幻想であり、実際はグローバル企業の思惑を運ぶための場という現実がみえてきます。
それに対抗するための、市民の声を集めるサミットが同時開催。英語ですが、大切な議論をぜひウォッチしてみませんか?開催後は報告もあがってくると思います。ぜひみなで注視しましょう!
もしも魔法の杖があるとしたら、世界経済のどの分野を最初に変革したいですか。
金融やエネルギーを変えるのも魅力的な選択肢でしょうが、もっとインパクトのある分野があるんです。
今週開催される重要な「国連食料システム・サミット(UNFSS)」では、世界経済フォーラム、ゲイツ財団が支援するAGRA、農薬・遺伝子組み換え産業のロビー団体など、利益を追求する団体が国連と提携し、食糧システムのさらなるグローバル化に向けた計画を前に進めようとしています。その中心にあるのは、バイオテクノロジー・農薬・化学肥料の推進、大企業支配の強化などのもくろみです。
このような状況を放置しておくことはできません。私たちは魔法の杖を持っているわけでも、グローバル企業のような富と影響力を持っているわけでもありません。
でも、私たちにはピープル・パワーがあります。
ローカル・フューチャーズ、そして世界各地の草の根団体とともに、「食料システムに関するグローバル・ピープルズ・サミット」(9月21日~23日)と「ピープルズ・フード・サミット」(10月16日)に参加しましょう。私たちはあなたを必要としています。
>>9/21-23「食料システムに関するグローバル・ピープルズ・サミット」登録はこちら
>>10/16「ピープルズ・フード・サミット」登録はこちら
(ともに開催言語は「英語」になります)
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さまざまな生産物の中で、食料こそ、すべての人間が毎日必要とするものです。それは1日に世界で100億件以上の取引が行われ、私たちの実体経済の中心をなしています。また、気候変動から飢餓や貧困に至るまで、最も差し迫った地球規模の問題に対処するためには、経済を変革するしかありませんが、その中で、最も重要な分野が食べものと農業なのです。
化学薬品に依存した輸出向けの大規模単一栽培を行うグローバル食糧システムは、土壌、気候、生物多様性、社会正義、そして人間の健康に、悲惨な結果をもたらしてきました。しかし、今度の「国連食糧システムサミット(UNFSS)」では、こうしたシステムの主人公である大企業が各国の政治家をさらに破壊的な方向へと導こうとしているのです。
9月23日に開催されるUNFSSは、「気候変動に強い」「実質ゼロ」「カーボン・ニュートラル」、「再生可能」といった耳ざわりのいい言葉で“グリーンウォッシュ”されています。このままでは、ハイテクと負債による支配によって、小規模農業の破壊を加速させ、巨大企業にあらに富を集中させる道すじが採用される可能性が高いでしょう。
だからこそ、私たちは世界の人々のためにあるはずの国連サミットが大企業によってハイジャックされることに反対するのです。そして、世界各地の小規模農家や市民社会団体と手をとり合って、健康で公正なフードシステムを目指す国連サミットに替わるオルタナティブ民衆サミットを開催し、アクションプランや政策提言を策定しようとしています。
翻訳:辻信一
以下原文
If we had a magic-wand, which sector of the global economy would we transform first? Finance and energy would be tempting options, but there's one sector that is more impactful than any other: food.
Join a Global People's Summit for the future of our food, and participate in our interactive workshop! In this week's landmark UN Food Systems Summit, profit-oriented groups like the World Economic Forum, the Gates Foundation-backed AGRA, and agrochemical/GMO industry lobbies are partnering with the United Nations to advance a globalizing agenda for our food systems – including biotechnology, agrichemicals, and corporate control.
We are not letting this go unchallenged! We don't have a magic-wand, nor do we possess the wealth and influence of global corporations... but we do have people-power. Join Local Futures and grassroots organizations from every corner of the globe in the Global People's Summit on Food Systems (Sep 21-23) and the People's Food Summit (Oct 16). We need you!
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Food is the one thing we produce that every human being needs every day. It is the focus of over 10 billion transactions per day, and the center of our real economy. It is also the most important sector of our economy to transform if we are to address our most pressing global problems – from climate change to hunger and poverty.
The global food system, with its large-scale chemical-dependent monocultures geared for export, has disastrous consequences for soil, climate, biodiversity, social justice, and human health. Still, at the upcoming United Nations Food Systems Summit (UNFSS), corporate actors will be pushing policymakers further in this destructive direction.
Thoroughly greenwashed in the language of “climate-smart”, “carbon-neutral”, and “regenerative”, the UNFSS – set to take place September 23 – is likely to embrace a high-tech, debt-based path that will accelerate the destruction of small-scale farming, and concentrate ever-more wealth in the hands of giant corporations.
That’s why we are opposing the intellectual hijacking of this United Nations Summit and joining hands with small farmers and civil society organizations from every corner of the globe to host alternative encounters, develop action plans and policy recommendations with healthy and fair food systems in mind.
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