私たちがどこに暮らしていても共通する、いのちを支えるためのアクションは「食べること」。
韓国水原(スウォン)で暮らす鈴木あゆみさんが、「両親の日」に素敵な文章を寄せてくれたので紹介します。オンラインというITを活用しながら地域の生産者とつながり、また自分たちでもベランダから育てることを始めてみようという取り組み、日本でもできそうですね。(事務局)
5月8日、韓国は今日は「両親の日」です。日本とは違い、母の日、父の日と分かれておらず、いっぺんにお祝いできて、日本で生まれ育ったわたしにはずいぶんありがたい日^^;。何より、今回のコロナウィルスの影響で世界中、多くの方たちが、変化を余儀なくされていると思います。みなさんの健康と安全、平穏を韓国から祈っています。
2月下旬より、ここ韓国でもどんどんコロナ感染者が急増。しかし、日々政府担当者がコロナ対策のブリーフィングをして(いまも継続中)、アップデートもはやく、ニュースでもバラエティでも日々コロナ対策や手洗いうがいキャンペーンなどやっていて、不安はあまりなかったです。
そして何より心強かったのは、いま活動しているハンサリム生協でのつながりや近所の人たちとのつながりです。私はハンサリム生協スウォンで理事をしているのですが、コロナの影響で組合員数や配達の利用者数が大幅に増えたのは、やはり安心安全な、顔のみえる食べ物を食べたいと思う人が増えたからでしょう。
ハンサリム生協では、食べることをメインに、SNSでレシピの交換をしながら、より健康な食を一緒に考え、励まし合ったり、コロナの影響で学校給食に納入できなくなっている地元農家さんを支えるための販売経路を確保したりと、生産者・消費者が共に「ささえあうつながり」をめざしています。
先日、その生産者応援販売として生協店頭に並んでいたスプラウトセットを購入しました。この生産者さんはスウォン市内で栽培・販売をしていて、理事たちと見学にも行きました。そのスプラウトセットを、国産小麦で作った麺にわんさか盛ってヤンニョム(辛さ控えめ)とごま油をかけてビビン麺に。子どもたちは、すごいボリュームに驚いていましたが、食べてみたらペロリでした!
韓国では学校給食には基本、地元の無農薬や有機栽培のものを扱っています。今回の緊急支援販売は、ふだん学校に通う子どもたちがどんなものを食べているのかが実際にわかって、私にとってはある意味貴重な機会にもなりました。
あとこれは毎年やっていることですが、在来種を守る農家さんから苗を買い、各組合員がベランダや畑で育てる運動もしています。今日の午後にはトマト、とうがらしなどの苗が届くので、販促もかねて私も組合員さんたちに会いにお店にいってきます。
現在の韓国の状況はというと、5月6日からいままでの「社会的距離の確保」から「生活防疫(生活の中での距離確保)」に。本格的に営業を再開するところも増えてきています。4日の政府からの公式発表では、5月末から学年別に登校再開のスケジュールが発表されました。 といっても、我が家の中1男子と小4女子は、うちでのオンライン授業(自宅に装備がない場合、自治体や学校からパソコンやタブレットの貸し出しをしています)+自由創作時間もなかなか楽しんでおります。私も普段対面でおこなう仕事が多いので、STAY HOME期間の今、子どもたちと一緒に家で仕事をしながら、毎日過ごしています。子どもたちの料理とお菓子作り、掃除、朗読、ピアノ&ギター演奏の腕はかなり上がりました。(笑)
ただし、「友達と遊びたい!」という子どもたちの欲求だけは満たせてあげられていないのが残念です。逆に考えると、詰め込み型の従来の教育システムをもつ「学校」という存在を再定義する、よい機会なのかもしれないですね。
鈴木あゆみ
2005年第1回green&peace boatへ「ハチドリのひとしずく」のお話を広めるため、ハチドリ計画事務局長として乗船。その時出会った韓国人男性と結婚。福島原発事故をきっかけに2012年から韓国へ移住し、2人の子どもと夫と都市でもできるスローな生活を日々模索中。
ナマケモノ倶楽部理事、韓国ハンサリム生協スウォン理事、韓国自然の友研究所国際交流委員。「友産友消」動画(youtube)韓国語字幕を担当。
instagram: ayuhachidori
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