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愛の革命 サティシュ・クマールのメッセージ

ナマケモノ倶楽部は今、2月から始まる、渋谷ヒカリエでのバレンタイン・チョコレート・フェアという舞台で、自分たちなりの”愛”のメッセージを世界に向けて表現し、発信しようとしてる。そして自分たちなりの真のバレンタインデーを大胆に想像し、ささやかにでも創造してみよう、と。消費主義のメッカみたいな場所で、商業主義のお祭りみたいな機会に、あえてぼくは「分離(セパレーション)の時代」から、「つながり(リレーション=愛)の時代」への大転換を訴えたい。そのぼくの思いは、以前サティシュから届けられた「愛の革命」(以下全文、拙訳)という2019年のメッセージに端的に表現されている。

詳しくは、サティシュの最新刊『エレガント・シンプリシティ』をぜひ読んでいただきたい。



愛の革命 ― 地球のための行動、それは愛の行為

サティシュ・クマールからのメッセージ


イギリス議会は気候に関する国家非常事態宣言を出した。90歳になるBBC放送の象徴的存在デヴィッド・アッテンボローから、16歳のスウェーデンの活動家グレタ・トゥーンべリまで、かけがえのないわれらが地球の窮状を訴え、世界中の人々の注意を喚起する発言が注目されている。「エクスティンクション・レべリオン(絶滅への反抗)」の旗の下に集まった1500人の非暴力デモの参加者たちが逮捕された。真実を語ることを政府に要求し、気候危機について直ちに取り組むことを要求したという理由だけで。


これらのよく知られた発言や出来事の背後では、何百万という普通の市民が動き始めている。老若男女、宗教をもつ者ももたない者も、黒人も白人も、金持ちも貧乏人も、自分の生き方を変え、小さな解決法を生み出し、政策を転換させるために活動している。この危機の原因そのものであるシステムに抵抗し、NOを突きつけるだけではない。何百万という人々が草の根レベルで建設的な代替案へのYESを表明している。彼らは低炭素のライフスタイルを選び取っている。肉食を手放し始めている。エネルギー浪費型の農耕や食品加工を拒否し始めている。再生エネルギーに取り組む企業を支援している。二酸化炭素削減の為に自分の家の屋根に太陽光パネルを置いたり、家屋の断熱性を高めたり・・・。プラスチックバッグを断り、ペットボトル入りの水を買わず、使い捨てカップに入った飲み物は飲まない。ことの大小を問わずこれらはみな、問題の根本に届く活動だと言える。気候危機に関心を寄せ、かけがえのない地球のために行動することは、自分たちみんなの責任だという信念が、彼らを突き動かしているのだ。


私は全身全霊をもって、学校ストライキに立ち上がった生徒たちや環境活動家たちを支持し、支援する。それが地球上のどこであろうと、誰であろうと。ただ私はグレタ・トゥーンベリ、そして「Fridays for the Future(未来のための金曜日)」、「エクスティンクション・レベリオン」などに集う老若の活動家のみなさんにこうお願いしたい。

「どうか愛の力をもって気候危機に立ち向かう運動を創りあげてください。どうか恐怖の力に押し流されないでください。あなた方、そして私たちの闘いが愛に導かれますように。なぜなら、恐怖が人を脅かすのに対して、愛の力は持続的で、他者を説得し、世界を変えることができるから」


奴隷制、アパルトヘイト、そして帝国主義に終止符を打つための運動は、愛の指導者たちによって導かれた。女性参政権運動の女性たちを支えたのも愛の力だった。こうした人々が切り拓いた道を、私たちも歩もう。そして、母なる大地への深い愛に導かれながら、壊滅的な事態から地球を守るために闘おう。これは愛の革命だ。愛とは、論理的であると同時に魔術的。地球は愛を体現するもの。地球は愛、愛は地球の別名と言っていい。地球は私たちの先生。私たちはその地球から、愛の芸術を学ぶ。地球は私たちを愛している。そして私たちは愛をもって地球に応える。


私たちが行動するのは森や草花への愛のため。私たちは川を、海を愛する。壮大な山々を、命の源たる土を。素晴らしき鳥たち、そして動物たちを。私たちは人々を、未来の世代を愛する。だからこそ、地球を傷つける政策や行為、極地の氷を溶かし、海水面を上昇させる地球高温化にNOと言うのだ。大地を傷つけるような製品、そしてそれを生み出す企業を私たちはボイコットする。愛する地球のためなら監獄にでも行こう。非暴力で、心安らかに、まるで新婚の寝室へ向かう二人のように幸せそうに。恐れるものは何一つない。


そして私たちはYESと言おう。シンプルで持続可能な生き方に。何兆本もの木を植えることに。循環型、再生型の農業に。私たちは健康的な、オーガニックで栄養豊かな食べ物を食べる。地球上至るところでそういう農作物を育てている小規模な農業を支援する。職人たちを応援する一方で、自分もまた手を使うアーティストとして生きよう。世界中の女性たちの味方であろう。悪しき力には抗い、その力を無化しよう。善きものが栄えるのを助けよう。


私たちは、絶望によって楽観主義が損なわれることを決して許すまい。活動家は楽観主義者でなければならない。悲観主義はジャーナリズムの助けにはなっても、アクティビズムの足しにはならないのだから。持続する希望と生涯にわたる関与をもって、私たちは変革の旅を続ける。そう、アクティビズムは旅であって目的地ではない。長期的なプロセスであって短期的な成果ではないのだ。だから、お互いに向けて、「地球にコミットし、アーティストとして、アクティビストとして生きていこう」と呼びかけ合う。


私たちはみな、一緒だ。私たちに敵はいない。廃棄物と汚染、抑圧と搾取、貪欲とエゴの経済システムは、みんなの参加によって終わらせなければならない。政治家と詩人、実業家と芸術家、生産者と消費者とが手をとり合って、汚染を止め、気候危機を回避するために共に歩んでいこう。


外側の変革をもたらすために行動するのと同時に、内側の変革のために行動する必要がある。もし私たちの心が貪欲、恐怖、渇望によって汚染されているなら、それは外側に、不満、消費主義、物質主義などを生み出し、結果的に地球を汚染することになる。外側の風景と内側の風景は、ひとつの現実の二つの側面だ。外なる自然は、私たちの内なる自然と別々に存在するのではない。


分離や分断という「セパレーションの物語」は、もういらない。それは、内と外、自然と人間のあいだの融合と連続という新しい物語に道を譲らなければならない。そこでは、瞑想と行動、直感と理性、心と物質、沈黙と言葉、内と外、左と右が互いに補完し合っている。内なる慈愛と外なるケアを育むことで、新しいホリスティックなパラダイムを迎え入れよう。


<私たち/彼ら>という偏見、階級、カースト制度、人種差別、宗教対立、国籍などのアイデンティティによる区分・・・・。これら、分離による二元論という古い物語によって生じてきた傷を癒す必要がある。無条件かつ無限の愛という“軟膏”で、私たちは傷を癒し、人と人、人と地球との間の対立の向こう側へと向かおう。


私たちは分裂を超えて、生命の調和(ユニティ)を受け入れると同時に、多様性を讃える。調和することと画一的になることを混同してはならない。調和は、生物多様性、文化の多様性、真実の多様性、思考や意見の多様性の中にこそ生まれる。進化は多様性を好むものだ。ビッグバンの時代から、進化は何十億年もかけて、あらゆる方向に多様性を生み出すことに努めてきた。私たちは、言語、宗教、アイデンティティの多様性を大切にしながら、かけがえのない地球を、人間を、動物を、森林を、海洋を害さないという総意で結束しなければならないのである。


私たちは、人権という理想を支持すると同時に、自然の権利、つまりすべての生きものの権利も支持しよう。地球は死んだ岩の塊ではなく、ガイア、つまり生命体である。詩人ウィリアム・ブレイクは「自然は想像力そのものである」と言った。 そして、シェイクスピアが「木の中の舌」と表現したように、木はしゃべる。英語ではないが、“樹木語”を。またシェイクスピアは“川という本”という表現も使っている。そう、私たちは川という本、自然という書物を読むことを学ばなければならないのだ。寺院や教会に行かなくても、生きている石から平和、忍耐、しなやかな精神についての教えを聞くことはできるのだ。


自然の価値を人間にとっての有用性で測るのではなく、むしろ自然や地球それ自体の本質的な価値を認めようではないか。自然は単に経済のための資源ではなく、生命の源なのだ。


私たちは、自然、地球、そしてすべての生物、そしてすべての人間たちと調和して生きることを学ばなければならない。人間世界にとどまらず、人間を超えた世界とも。100パーセントの調和を達成できないとしても、これは努力に値する理想にちがいない。


あなたは私を「理想主義者」と呼ぶかもしれない。しかし、現実主義者たちは、世の中で何を成し遂げたというのだろうか。気候危機を引き起こしたのは理想主義者の仕業ではない。現実主義者たちの活動こそが、気候危機や生物多様性の崩壊、大気・水・土壌の汚染を引き起こしてきたのだ。現実主義者と呼ばれる人々による統治のもとで、飢餓、戦争、その他多くの人類史的な悲劇が全世界に拡大した。現実主義者たちは、あまりにも長い間、世界を支配したが、その結果は散々だった。今こそ、理想主義者にチャンスを与えるべき時だ。さあ、グレタからアッテンボローまで、環境破壊に抵抗し、新しい時代を切り開こうとしている先駆者たちに耳を傾けよう。野生回復運動やアグロエコロジー、学校ストライキ運動の若者たちや環境保全活動家たちに注目しよう。彼らはみな私たちの時代の心優しきヒーローたちなのだ。


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