top of page
執筆者の写真辻信一

凛々しく、明るく、美しく "YES, ISHIKI RIVER!"



石木ダム抵抗運動の拠点、ピンク色の”石木川ギャラリー”

今日は、11月最後の日。サティシュ・クマール来日ツアーに続き、ローカリゼーション・ムーブメントの若き仲間ヘンリーの来日、大分県佐伯と竹田への旅・・・。ああ、なんと豊かな時間だったろう。


今日、友人にこんな手紙を送った。


 

Yさん、サティシュ来日の折は、いろいろお世話になりました。ありがとう。楽しかったですね! 愛に溢れていましたね!

 

さて、12月4日夜、長崎県石木川のダム問題で、抵抗運動を担っている方々を招いて、オンライン・トークをやります。できたらぜひ参加してください。(イベント詳細はこちら

この運動のことは「ホタルの川の守りびと」という映画にもなったのでご存知かと思いますが、ぼくはやっと半年前に初めて現地に行くことができました。ぼくのパーソナルなテーマである「隠れキリシタン」をめぐる旅で長崎には度々行っていて、いつも立ち寄ってみたいという衝動に駆られながら、単なる個人的な思いを超えるようなご縁があれば、必ずその時は来ると考え直して先延ばしにしていました。

 

そのご縁に恵まれました。それもただならぬご縁だったのでしょう、その訪問がちょうどホタルの時季だったのです。ぼくは、友人の環境活動家アンニャ・ライトと、その娘であるプロサーファーのパチャ、そして映像アーティストの息子ヤニと共に、ナマケモノ倶楽部25周年を記念する「希望のキャラバン」で九州を回っていました。ぼくたちの要望を受け止め、ダムによる水没予定地からの立ち退きを拒否する川原地区13軒の方々とぼくたちをつなげ、そして案内役をかって出てくださったのは、川棚町にある福浄寺の皆さんでした。

 

石木川は想像していたのより、ずっと小さな川でした。こんなに小さく愛らしい流れを、谷全体を塞ぐような巨大なコンクリートの壁で堰き止めるというその発想の愚かしさ、貧しさにまず呆れさせられます。乱開発という名の自然破壊によって目先の経済効果をあげるという戦後ずっと続けてきたやり方が、もうやり尽くされて、石木ダムなどという馬鹿げたプロジェクトに行き着いた、という感じなんです。現地の皆さんは、様々な食べ物を持ち寄り、石窯でピザを焼いて、ぼくたちを歓迎してくれました。アンニャたち親子の歌が始まり、最後はみんなで歌い踊りました。

 

宴の後、福浄寺の住職夫妻に導かれて谷あいの暗闇の中へと進んでいきます。水音の方から湧き出ては空へと舞い上がり、満点の星と混ざり合い、溶け合うホタルの群れを見ながらぼくたちは忘我の時をすごしました。

 

ダム計画のバカばかしさと見事なコントラストを成しているのが、立ち退きを拒んでいる13軒の人々とその支援者たちによる抵抗運動の美しさです。その大きな特長の一つは、運動を先頭に立って担っているのが70代〜90代の“おばあ”たちであること、そしてその女性たちの凛々しさと明るさです。ぼくたちを宴で迎えてくれたのも、今も毎日座り込みを続けているのも、この女性たちなのです。

 

もう一つ特記すべきは、運動の真ん中にアートがあること。「ホタルの川の守り人」にも出てくる、こうばるほずみ(石丸穂澄)さんという優れたアーティストが、大変な精神的なストレスに苦しみながらも、故郷の風土や生態系の美しさを“YES, ISHIKI RIVER!”という肯定形のスローガンを添えて、表現し続けています。ダム抵抗運動の拠点である団結小屋の一つを、石木川ミュージアムと名づけ、壁をピンクに塗って、そこに自作の絵を並べたのものほずみさんです。

 

ぼくが会ってお話をうかがった時も、ネットで誹謗中傷の的にされている彼女は、かなり精神的に落ち込んでいました。ぼくはその時思ったんです。ダムを止めることができるかどうかにかかわらず、このほずみさんをぼくらの愛で支えることこそが大事なんだと。そして、メディアの目が遠のいたかに見える今も毎日座り込みを続け、歌い踊ることをやめないおばあたちの愛に応えることがぼくたちの責任(レスポンス・アビリティ)だと。

 

間際のお知らせなので、4日のオンラインイベントに参加するのは無理でも、またこの件で改めて、話し合いをお願いしたいと思っています。

 

ではまた会えるのを楽しみに。

Love, K



 

というわけで、これを読んでくださる方には、できれば4日のオンラインイベントに参加していただきたい。それがダメでも、ぜひ、石木ダム問題に関心を寄せていただきたいのだ。そしてもし、何かできることがあればしてほしい。4日に話されるだろう内容を先取りして、以下、こうばるほずみさんが制作した今年のカレンダー「YES, ISHIKI RIVER. 2024 CALENDAR」から、表紙と裏表紙の絵、そしてカレンダーの末尾にあるほずみさんの痛切なメッセージを、見ていただくことにしよう。





このまま黙って見ているわけにはいかない。ではどうすればいいのだろう。何かできることがあるはずだ・・・・。そう思っている人に向けて、ほずみさんのメッセージは続く。

 

佐世保市の水は足りているし、川本町の治水も間に合ってます。

石木ダムは必要ありません。みなさん、力を貸して下さい。

土木部長がガンです。官僚で国交者とつながっています。

土木部直通 095-894-3001

Fax 095-894-3460

電話して下さい。Fax毎日送って下さい。

 

寄付を受け付けています。

ゆうちよ銀行

店番768普通預金2029291

・送金の場合

記号17660

番号20292911

口座名義イシマルホズミ


さて、最後に、ぼくがアンニャたちと希望のキャラバンで石木川を訪れた時の写真を見ていただきたい。



















閲覧数:187回

関連記事

すべて表示

Comments


bottom of page