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巻頭コラム11

『さよなら、消費社会―カルチャー・ジャマーの挑戦』(カレ・ラースン著、加藤あ きら訳、大月書店)。

ラースンはバンクーバーを拠点とする「アドバスター」誌を主宰する人で、この雑誌 をツールとするトランスナショナルな運動「カルチャージャム」のリーダーです。 「カルチャージャム」とは、彼の言葉でいうと、要するに、メディアがつくりあげる 消費主義的な昏睡状態を、「パチン」と破裂させて、リアル世界に目覚める覚醒運 動。でもそれは単なる意識上の変化ではなく、具体的な行動として行うことによって 世界を拉致してしまった巨大企業の手から社会や自然界を救い出し、まともな世界を つくることを目指す変革運動。キャンドルナイト、そして暗闇カフェ、無買日、ノー テレ週間などのナマケモノ倶楽部のキャンペーンの源流は、ここにあります。

彼はこんな風に言っています。 ひとりひとりの自発的な行動マスメディアに対する創造的で先鋭なイタズラやサボ タージュや風刺やデザインなどによって、消費主義的なイメージのとめどない奔流を 遮断する。魔法の呪縛が解かれれば、世界の改革が始まる。新しい世代は「すべてを 改革し尽くすだろう」

とにかく具体的な例がいっぱい出てくるし、彼のチョー過激な「怒れるオヤジ」トー クが魅力的。ブラックなユーモアもいい。訳も立派なものです。マイケル・ムーアに 全くひけをとりません。

あたり前のことですが、ぼくはラースンの言うことや言動のスタイルに全部賛成だと いうわけではありません。しかしずっとナマケモノ倶楽部は日本版、っていうかス ロー版カルチャージャムだと信じてやってきました。 スロー版っていうと、なんか水で薄めたような印象をもっている人もいるかもしれま せんが、ぼくはスロームーブメントは、根っこのところではラースンたちの運動に負 けないくらい、ラジカルなグローバル経済や消費主義社会、メディア=広告による洗 脳、支配への抵抗運動だと考えています。

今でも、9・11直後の「アドバスター」誌はブッシュ政権への強烈な一撃だったと 思います。ある意味では9・11テロ自体よりずっと。そのことを踏まえて、以下の 推薦文を本の帯に載せました。

マイケル・ムーアとともにブッシュ政権を震え上がらせた男カレ・ラースン、世界を 牛耳る死の商人たちへの美しくも過激な抵抗運動「カルチャー・ジャム」、ついに日 本上陸! (ぼくもジャマーです、辻信一。(^^;)

ぜひ多くの方にこの本を読んでいただいて、「カルチャージャム」論争を面白おかし く展開してみたいものです。