新しいウィンドウが開きます 新しいウィンドウが開きます

「今思うこと(非戦への思い)」 2003年3月 ナマケモノ倶楽部メーリングリストより


緊迫した情勢の中で、皆さんの胸に様々な思いが駆け巡っているでしょうね。21日に は芝公園にも行きたいところですが、ぼくはカフェスローのナマケ市に参加して、冒 険家の関野吉晴さんと対談します。そこで自分自身のキャンドルライト・ヴィジル (祈り)をやります。よかったらご一緒に。
アメリカの大企業をボイコットしよう(ナマケよう)という議論が高まっています。 (下にもレインボーリングのMLからひとつ転送します)それはよくわかりますし、も ともとマクドナルドをぼくはボイコットしてもう長くなります。(奇しくも今日、本多勝一さんを中心とした「月刊あれこれ」が創刊、特集が「さらばマクドナルド」。 楽しみです)そして今こそ、ぼくはぼくなりに消費行動で、極力慎重でありたいとも 思います。消費行動が、いわば選挙の投票のように政治的な意思表示という意味をも つわけですから。しかしでは、今米国に追随し、戦争に加担、協力しようとしている 日本や韓国の、大企業はどうしましょうか?フランスがもてはやされているけど、フ ランス製を選ぶのがいいのでしょうか。あと中国製やドイツ製?

今にも戦争が始まろうとしているこのギリギリの時にもう一度、ぼくは、スローとい うことばが大量生産、大量消費、大量廃棄といった経済成長路線や、その世界規模で の展開であるグローバリズムへの抵抗であること、そしてそれも単に大企業や政府へ の批判ではなく、自分自身の価値観やくらしぶりの転換を意味していたことを思い出 しています。
また戦争と環境破壊は表裏一体であること。人の命を粗末にすることとこの世のすべ ての命を粗末にすることとは切っても切り離せない関係にあります。この戦争を引き 起こそうとする力は、森林を破壊し、原発をつくり、巨大ダムをつくり、自動車をつ くり続け、そのための道をつくり続け、自販機をいたるところにおいて、ペットボト ルや缶を売りまくり、またそれを消費し続け、地球温暖化を悪化させ、ぼくたちの生 の基盤である生態系そのものの存続を危うくしている力と同じ力です。その力は今米 国の権力者にたしかに体現されているとはいえ、しかし実はぼくたち自身もその力の 一部なのです。

そういう「力のシステム」の一部であることを認めながら、熊本の漁師緒方正人さんのことばでいえば、「自白」しながら、そこから抜け出る方法を探り、「力のシステム」にかわる地域や共同体(人間をはじめとした命の共同体)を想像する。美しさ、楽しさ,安らぎといった本来当たり前のはずの価値を最優先にして構想される風景に向けて、できるところから自分の暮らしを変えていく。非戦というのは、そういう日常的でスピリチュアルな営みだと思います。スローですね。イライラするほどに。しかし、また言ってしまいますが、愛はスローなのであり、戦争をなくすのは結局怒りではなく、愛なのだと思う。こんな時に「何をのんきなことを」と言われるかもしれませんが。

新聞やメディアは今声高に国際政治とそこにおける駆け引きとか力関係を論じている。そこには怒りのエネルギーが満ち満ちている。そこに巻き込まれないようにしたいとぼくは思っています。カッという怒りはファスト。これが世界を変えるんだ、とかつてぼくは長い間信じていたようです。しかし今では、世界を良い方向に変えていけるとしたら、待つこと、聞くこと、留まること、つながること、許すこと、分け合うこと、一緒に生きること、愛すること、といったスローなエネルギーが文化の中に生き生きとしていればこそだ、と思う。

川勝平太さんのことばでいうと、「力の文明から美の文明へ」、坂本龍一さんのことばでいうと「美しい三等国」へ。喜納昌吉さんのことばでいうと「すべての武器を楽器に」ぼくたちの非戦の思いを、そういう大きな転換へのエネルギーにしていきたいものです。

MAKE SLOW LOVE, NOT FAST WAR  辻信一

前のページへ戻る