ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ

2018年10月25日

11/11(日)「しあわせの経済」フォーラム2018 in 東京 開催!

■開催概要日時:2018年11月11日(日)10時~17時
会場:明治学院大学白金キャンパス・アートホール

ゲスト:

ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(イギリス、環境社会運動家)
ジェイ・トンプト(イギリス、リ・エコノミープロジェクト発起人)
パトリシア・モゲル(メキシコ、アグロエコロジー研究者)
堤 未果(日本、国際ジャーナリスト)
辻  信一(日本、文化人類学者、明治学院大学教員)
ソーヤー海(日本、共生革命家、東京アーバンパーマカルチャー)
野々山理恵子(日本、パルシステム東京理事長)
山田正彦(日本、元農林水産大臣、弁護士)
ほか

プログラム:

基調講演、パネルディスカッション、音楽
(アートホール、10:00-17:00、一般前売1500円、学生前売500円。一般当日2000円、学生当日1000円)

「しあわせの経済」マルシェ同時開催(パレットゾーン2F、10:00-16:00、参加費無料)


去年の11月、世界中から1,500人の仲間が東京につどい、人間と生態系の健康的で豊かな関係性を探求する「しあわせの経済」について学びを深め、お互いの活動をたたえあいました。

そして1年がたち、新たなつどいが開かれます。さらなる学びと、私たちのつながりをより強くするためのこの試みに、あなたにも参加してほしいとお誘いしています。

この1年で“新しい経済(ニューエコノミー)”ムーブメントが世界中でキノコの菌糸のようにつながり広がり続けています。気候変動から民主主義の減退、失業、精神的な病気や自殺の蔓延にいたるまで、私たち人類が直面している深刻で解決の急がれる危機が、グローバル経済と深く関わっていることに、ますます多くの人たちが気づきはじめているのです。

世界中で、ビジネス界や宗教界のリーダーたち、環境運動家や社会活動家たちが力を合わせはじめています。多くの場合は、地域自治体も加わって、食の地産地消や分散型のローカルエネルギー、あらゆるビジネスの連携や地域金融といったさまざまな領域で取り組んでいます。

こうした取り組みは、単なる経済的な成果だけでなく、個人レベルにおいても人間同士の、そして自然とのつながりを再構築します。精神的にも心理的にも、直接的で現実的な恩恵があります。

11月11日、去年の感動的なつどいからちょうど1年、また皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。私とともに、何人かの海外からのゲストがこの日のために来日し、それぞれの地域のエキサイティングな取り組みについて報告します。そしてその私たちはみな、日本の方々から学ばせていただくことに大きな期待を寄せています。

国を超えた地域同士のつながりを強め、世界の幸せな「ローカル・フューチャー」へ向けた大きな一歩をしるすため、ぜひ今年も東京でお会いしましょう。皆さんのご参加、ご協力、ご後援を心よりお願いいたします。

2018年9月23日

ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ
with 辻 信一

2016年09月13日

10/23(日):ヘレナさんに聞く、ローカル経済×しあわせな未来のつくり方

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ローカリゼーション運動のリーダー、ヘレナ・ノーバーグ=ホッジさんが短期来日。
23日は東京・明治学院大学にて、ヘレナさんの特別ゼミが開講!
(さらに…)

2016年09月12日

『いよいよローカルの時代~ヘレナさんの「幸せの経済学」』はじめに


ゆっくりノートブックシリーズ5
『いよいよローカルの時代~ヘレナさんの「幸せの経済学」』
はじめに

5

「スローライフ」についての講演をしていて、時々、ぼくはこういうコメントに出会う。「それって、過去に戻れということじゃないですよね?」。この言い方には「戻る」ということに対する、真剣な拒否感が感じとれる。一種の恐怖と言ってもいい。おそらく、人生というものを多くの人々がこれまで「前へ進む」というイメージでしか捉えることができなかったことを、それは示している。現代日本人が多用する「前向き」、「未来志向」、「頑張る」などはみなこの「前へ進むものとしての人生」というイメージに合致する言葉たちだ。

「懐かしさ」という価値が貶められてきたのも、同じ理由からだろう。懐かしさという過去へのこだわりは「後ろ向き」で、前へ向かって進もうとする人間の足を引っ張りかねない、というわけだ。

「未来」と「懐かしさ」。このふたつの一見背反する言葉をつなぐ「懐かしい未来」というタイトルをもつ本がある。インド最北部ラダック社会について書かれた名著『エンシェント・フューチャーズ(古代的な未来)』の邦訳、『ラダック――懐かしい未来』(山と渓谷社)だ。それは「スローライフ」を志すものにとってのバイブルでもある。

その著者として、世界に大きな影響を与えたのが環境活動家として名高いヘレナ・ノーバーグ=ホッジだ。

ヘレナ(彼女を呼ぶときにいつもそうしているようにファーストネームを使う)がラダック地方を最初に訪れたのは1975年。彼女は仏教文化の伝統を守りながら心豊かに暮らす人々の社会に出会い、魂を揺さぶられた。以来、人々との親密なつき合いを通じて、彼女は、ラダック社会が一方では開発の波に洗われて大きく変化しながらも、他方では伝統文化の価値を保持して、グローバル化とは異なる「もうひとつの発展」のあり方を模索し始めるのをつぶさに見てきた。そしてその「もうひとつの発展」のための活動に自ら参加することを通じて、それが単に「途上国」のモデルであるばかりか、「先進国」にとってのモデルともなりうることを確信するようになった。

ヘレナにとってラダックとの出会いは、まず何よりも、従来「先進国」で言われてきたのとはまったく違う「豊かさ」の意味を発見することを意味していた。『ラダック――懐かしい未来』のエピローグの中で彼女はこう言っている。

たぶん、ラダックからのもっとも重要な教訓は、幸福というものに関することであった。・・・心の平安、生の喜びを生まれながらの当然の権利であると感じている人びとをラダックで私は知った。共同体や大地との密接な関係が、物質的な富や技術的な洗練などを超えて、人間の生活をとても豊かにすることができるのだということを知るようになった。別の道も可能なのだということを学んだのである。

これまで「先進国」では、GDPやGNPなどで示される消費の量、科学技術の進歩、経済的な効率性や生産性などを「豊かさ」の度合いを計る指標としてきた。しかし、ラダックでヘレナが見たのは、その「豊かさ」が増えるほど、自然環境が悪化し、文化やコミュニティが壊れ、人間関係が希薄化することだった。とすれば、これからは、社会を評価する時の基準そのものを変えなければならないはず。これからは、人々が幸福になるための条件をどれほど備えているか、環境面では人と生態系の関係が持続可能かどうか、といった新しいモノサシでその社会の豊かさを計ることにすればいい。

しかし、多くの人には、「前へ進まなければならない、後戻りはできない」という思いがまるで呪いのように染みついている。ヘレナはそれについてこう言っている。「もちろん、たとえ望んだとしても、私たちは後戻りはできない」。だが、私たちの未来への探求は、同時に、人間同士が、そして人間と自然とが調和した関係を再発見して、そこへと回帰することでなければならない、と。なぜなら、調和を踏みにじってきたこれまでのやり方はすでに破綻しており、未来があるとすれば、それは懐かしさに満ちたあの調和の中にしかありえないから。

2008年夏の金融危機に端を発した深刻な経済危機が、今、世界を覆っている。地球温暖化をはじめとする環境危機、エネルギー危機、食糧危機などとあわせて、まさに危機のオンパレード。これらはすべて、これまで世界を支配してきたグローバル経済システムの破綻を示しているにちがいない。

アインシュタインはこう言ったそうだ。「ある問題が引き起こしたのと同じマインドセットのままで、その問題を解決することはできない」。しかしどうだろう。「景気の回復」を唱えることしかできない主流社会は相変わらず、危機を引き起こしたのと同じマインドセット(心構え、精神構造)のままで、その危機が克服できるかに思いこみ、ふるまっているではないか。

ヘレナは、この危機の時代に、これまでのマインドセットからぬけ出す方法を示す世界的なリーダーのひとりだ。ヘレナがラダック地方とその人々に出会って35年、そしてそこでの生活と研究の成果である『ラダック 懐かしい未来』の出版から20年、世界の大転換期といわれる現代社会において、ヘレナの思想と行動は、変革を志す世界中の人々――ぼくがそのひとりだ――にとって貴重な導きの糸であった。

そのヘレナを、ゆっくりノートブックシリーズ第5巻に迎えることができる幸いに感謝したい。

本書の第1部では、その思想的な背景ともいうべき、彼女の生い立ちからラダックへの旅にいたる軌跡をたどる。また、その後の彼女とラダックとの親密な関わりが、いかに、彼女の世界観の形成に大きな影響を与え、また彼女の明晰な経済システムの分析を可能にしてきたかを、跡づけてゆく。第2部では、そのラダックを例に、ヘレナが「近代化」「開発」「都市化」という名で呼ばれてきた変容のプロセスについて論じる。そして、「豊かさ」を追い求める従来の経済学が、実際には社会に大いなる不幸をもたらしたことを見る。ヘレナによれば、その「豊かさの経済」に代わる「幸せの経済」の軸となるのが、ローカルフード(日本で言う「地産地消」)である。彼女が制作をすすめるドキュメンタリー映画「幸せの経済学」から、そのローカルフードのさまざまな例を紹介してもらう。

第3部では、あらためてヘレナとともに、危機の時代をもたらしたグローバル経済の仕組みについて、詳しく見ていく。その上で、この危機を乗り越えるための「ローカリゼーション」、つまりグローバルからローカルへというマインドセットの転換の筋道を明らかにしたい。

本書のためのインタビューが行われたのは、世界仏教徒会議での基調講演のためにヘレナが来日した2008年の終わり。時まさに、金融危機とそれに続く世界的な不況によって、倒産や失業が急増し、貧富の格差がますます拡大しているさ中だった。彼女の宿舎であったホテルの外では、大企業の救済にばかり熱心な政府に対して、庶民の生活の救済をこそ求めるデモ行進が行われていた。

だが同時にそれが、数々の希望の兆しに満ちた秋でもあったことを覚えておきたい。政財界や、その意を汲んだマスメディアが「危機だ、危機だ」と騒ぎたてるのをよそに、静かにしかし自信に満ちて、ローカリゼーションという「懐かしい未来」に向かって歩んでいく人たちの数は、世界中で、そしてこの日本で急速に膨らんでいるのだ。

本書でヘレナが紹介してくれるような世界のあちこちでの農や食やコミュニティをめぐる動きに連動するかのように、この日本でも、地産地消、地域自給、地元学、半農半X、有機無農薬、自然農、産直、契約栽培、食育、スローフード、直売所、ファーマーズマーケット、地域通貨、市民バンク、エコビレッジ、グリーンツーリズムといったキーワードのまわりに大きなうねりが起こっている。またそれらが相互につながり合うことによって、従来の経済学の常識をくつがえすような経済の新しい形(ビル・マッキベンの言う「ディープ・エコノミー」)を編み出しつつある。それらはもはや単なる一時的な流行でも、何かに反対する「運動」でもない。これまでとはちがう価値観や美意識や生き方からなる新しい文化の創造(カルチャー・クリエイティブ)なのだ。

日本のローカリゼーションの道筋を示す良書が近年、続々と現れている。世界的な文脈の中でローカリゼーションを論じる本書と、ぜひ併せ読んでいただきたい。

鎌田陽司さんをはじめとする「懐かしい未来ネットワーク」の皆さんのご協力によって対談が実現したことに感謝する。この「懐かしい未来ネットワーク」は、ヘレナの思想と活動に共鳴した人たちによって設立されたNPOで、ヘレナの著作や発言を紹介しながら、日本のローカリゼーションに向けてダイナミックな活動を展開している。

最後に、長時間にわたる対談に快く応じてくれたヘレナにあらためてお礼を言いたい。彼女のことばが、この時代を照らし、読者を励まし、懐かしい未来への導きとなりますように。

2009年初夏
辻 信一

2016年02月05日

気候変動か、社会システムの転換か?<4> by ローカル・フューチャーズ

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Climate change or system change? 
気候変動か、社会システムの転換か?
by ローカル・フューチャーズ


.バックナンバーを読む → 連載その1その2その3


2015年12月に合意された「パリ協定」についてどう考えるか、ローカリゼーション運動をけん引する『懐かしい未来』著者、ヘレナ・ノーバーグ=ホッジを先頭とする「ローカルフューチャー」が声明を発しました。ヘレナさんたちの「ビッグ・ピクチャー」論にもとづく視点はとても重要で、日本にも広げる必要があると思い、ナマケモノ有志で翻訳しました。辻信一さんの監修を経て、連載方式で紹介しています!
>>原文(英語)で読みたい方はこちら。
http://www.localfutures.org/after-paris-climate-change-or-system-change/

ともに国際的な「グローバルからローカルへ」運動を担う仲間として、そのリーダーたちから届いたこの宣言に学び、それをシェアし、これからの運動の指針としたい。辻信一


グローバルからローカルへの方向転換は、気候変動に対する最も効果的な答えであるだけではありません。同時に、私たちが直面している社会、環境、経済などの諸問題に応えるものでもあります。だからこそ、「ローカル・シフト」は、様々な分野にわたる多様な運動を横に繋ぐことができます。北と南、左と右、経済と環境、都会と田舎というふうに、これまで分断されてきた人々が連帯する。そうすれば、これまでよりずっと強力な運動が生まれるはずです。

(さらに…)

2016年01月29日

気候変動か、社会システムの転換か?<3> by ローカル・フューチャーズ

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Climate change or system change? 
気候変動か、社会システムの転換か?
by ローカル・フューチャーズ


.バックナンバーを読む → 連載その1その2


2015年12月に合意された「パリ協定」についてどう考えるか、ローカリゼーション運動をけん引する『懐かしい未来』著者、ヘレナ・ノーバーグ=ホッジを先頭とする「ローカルフューチャー」が声明を発しました。ヘレナさんたちの「ビッグ・ピクチャー」論にもとづく視点はとても重要で、日本にも広げる必要があると思い、ナマケモノ有志で翻訳しました。辻信一さんの監修を経て、連載方式で紹介しています!
>>原文(英語)で読みたい方はこちら。
http://www.localfutures.org/after-paris-climate-change-or-system-change/

ともに国際的な「グローバルからローカルへ」運動を担う仲間として、そのリーダーたちから届いたこの宣言に学び、それをシェアし、これからの運動の指針としたい。辻信一


一見、人口密度の高い都会の方が一人当たりの資源使用量は少ないように見えるかもしれません。しかし、それが言えるのは、都会を、エネルギー効率が非常に悪い「郊外」型の暮らしと比較した場合だけです。
工業化がまだそれほど進んでいない地域に未だ存在している、本来の意味で分散型の町や村に比べれば、都市化は極めて資源集約的で、非効率です。

(さらに…)

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