脱原発?脱核?~韓国での議論を紹介します!

2011年12月07日

文:キム・ユイック

写真:脱核を呼びかけている韓国の一人デモ(韓国では厳しい集会の規制を避けるため、このような一人デモがよく行われます。写真の人は韓国緑の党の党員

時々 周りの人から 「韓国の脱原発の動きはどうなっていますか?」という質問をうけます。「そうですね。韓国の脱核の状況は」と述べると、「あ~やっぱり核兵器の問題からですね!」という受け答えをされます。「うん~そういう事ではなくて、韓国では原子力発電という言葉は間違っているという声が上がって、“原子力”の代わりに“核”をそのまま使おうという話になってますと。。」
「へええ~??」

私も実際は詳しくなかったものの、先日、韓国のある物理学者の文章を読んで、はっきりと理解するようになりました。
http://www.left21.com/article/9466 (韓国語)

簡単に言いますと、原子力(Atomic Force)というのは原子間の力で、原子が集まって分子や物質の形になるように作用する力のことです。物質ごとに違いますが、これはそんなに強くありません。核力(NuclearForce)というのは原子核を構成する陽性子と中性子などを結ぶ力です。原子がものすごく安定しているのはこの核力が強いからで、普通原子は分裂しないですね。

例外は、ウランなどの核分裂で、そのときの莫大なエネルギーを利用するのが“原子力発電”とか核兵器です(ここでも、力(Force)とエネルギー(Energy)は区別して説明した方が正しいのですが、この話は省きましょう)。

それで我々が原発又は原子力発電所と呼んでいるものは実は核エネルギー発電所というのがもっとも正しい呼び方です。英語でも、Nuclear Power Plantという呼び方を見れば確認できますね。

説明:脱核と核発電所などの正しい言葉をタイトルで使った、韓国の反核書籍

ならば、どうしてこんな間違いが。。まあ、そもそも、原子の構造をあまり知らてなかった頃は厳密に区別しなくてもいいという考え方があったらしいです。例えば、IAEAという国際機関もInternational Atomic Energy Agencyという名前を今でも使っていますね。当初はそうだったかもしれないけど、今はちょっと違う、政治的な意図があるのではないかという疑惑が提示されます。私の下記の文章を見てください。
「そのときの莫大なエネルギーを利用するのが*原子力発電*とか*核兵器*です」。気づきましたか?普通、核兵器、核ごみ処理、核実験などなど、核何々というと否定的なイメージ、原子力の平和的な利用、原子力病院など、原子力何々といいますと、肯定的なイメージが浮かびあがりますね。

と言うことから、韓国では最近、環境運動に詳しい人たちは 原子力発電所の代わりに核発電所、脱原発の代わりに脱核という言葉を使うようになりました。言葉の使い方と絡まっているFraming(*注)の技を我々も認識する必要がありますね!

*注:George Lakoffというアメリカの学者が共和党がどうやって言葉遣いで世論を操作してブッシュ政権の連勝を達成したか分析しながら提案して概念。

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