GNH

「つながり」を基盤に
新しい文化を取り戻していくプロセス。

 

 

 

 

今こそ、GNH幸福主義

「GNP」より大事なのは「GNH」と言ったのは、ヒマラヤの小さな国ブータンの王様です。いわゆる先進国に住むぼくたちはこれまで「GNP(国民総生産)」や「GDP(国内総生産)」を信奉してきました。

「P」とはプロダクツのこと。つまり商品とそれを売り買いするお金の量によって、社会の豊かさやそこに住む人々の幸福が計れるという幻想を私たちはもち続けてきたわけです。これに対して国王は、ちょっと違うんじゃないの、と疑問を投げるつもりで「GNH(国民総幸福)」と言ったのではないでしょうか。

「GNH」の「H」はハピネス。 少なくともうちの国では、お金とかモノとかがあまりなくても、結構幸せな人たちがいっぱいいますよ、と。

実際、ブータンの村々を訪ねてみると、まだまだ豊かな生態系、自給型農業、コミュニティの助け合い、スローライフが健在で、人々の幸福度はかなり高そうです。たしかにお金も大事かもしれない。でも、それはたくさんある「幸せのモノサシ」のひとつにすぎないはず。お金や、物の量や、テクノロジーだけで幸せは計れっこないんです。

GNH、それは「本当の豊かさとは何か」という私たちに対する問いかけです。

今、地域が地域らしいモノサシをもつことや、国が国らしいモノサシをもつことをますます困難にしているのが、グローバル経済という怪物です。それは世界各地で生態系を、自給的な農業を、伝統的な技術や文化を壊しています。グローバルスタンダードという名の祭壇に、ぼくたちの幸せの基盤であるはずの愉しさや美しさや安らぎやおいしさが犠牲として捧げられようとしているのです。

それを食い止めるのは、ぼくたちのGNH幸福主義。今こそ、成長から成熟へと、ファストからスローへと、GNPからGNHへと、方向転換しましょう。ぼくたちは皆、幸せになるために生まれてきたのです。

(辻信一)

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