| エクアドルツアーに関するわたなべゆりかさんのメールに、「9にゃ9にゃ」というのがあって、ちょっとびっくり。でもその後に、「目指す」という結構直線的なことばがあって、そこがまたゆりからしいというか。
びっくりしたというのは、ぼくと宇宙塵のふたりで、ちょうど「九ね九ね宣言」というのを出そうしていたからです。
彼は今日、韓国に旅立ちます。ぼくはいろいろな事情で韓国行きを断念しました。本当に残念です。講演の成功と、宇宙塵はじめ皆さんの旅の安全を祈ります。ぼくにとってはオリンピックよりもすてきな出来事なんですが(それもナイキやコカ・コーラやマクドナルドのスポンサーなしで)
二日前にこんな会話を宇宙塵と交わしました。
辻:「オリンピック、疲れるよね。うちでとってるA新聞なんか、もう朝夕スポーツ新聞ばりで、スポーツの勝った負けた、金だの銀だの、雪辱だの、苦杯だの、という見出しのついたでかい記事をかきわけるようにして、片隅に、イラクで民兵50人殺害とか、台風で8人死亡とか、原発事故とか、パレスチナのリーダーの一家殺害とか、沖縄の米軍ヘリ墜落とか、敗戦記念日の平和の祈りとか、をなんとか見つけ出してるというありさま。オリンピックが平和の祭典だって?報道されるのは日本人選手についてばかりじゃない。進歩しない、というか以前にもましてひどくなってる。A新聞やめようかな」
宇宙塵:「ぼくは新聞なんかとってないよ。でもどうなの、マスコミが大騒ぎするけど、みんなそんなにもりあがっていないんじゃない? 少なくともこの近所じゃ、もりあがってないよ」
辻:「電車なんかで、スポーツ新聞にすがりつくように、懸命に読んでるおじさんがいるけど、なんか哀れだよね」
宇宙塵:「かわいそうだよ。みんなさびしいんだ。若者も他に愉しいことがないんだよ」
辻:「それにしてもおじさんたちはやばいね」
宇宙塵:「おじさんはもういいよ。疲れてる。だから頑張ってしまう。もっと楽にクネクネとやればいいのに。やわらかく、しなやかに。固くしていると、ボキッといきやすいんだよ。やわらかい方が強いの、結局。コンニャクのように。ぼく、子どもの頃、言われてたよ、みんなに、コンニャク、コンニャクって」
辻:「それって、バカにされてたの?」
宇宙塵:「多分、バカにしてたんだろうね。でもぼく、自分でもコンニャクだと思ってたし」
辻:「コンニャクか。実は、今ぼくが参加しているビルマでの環境再生プロジェクトで、コンニャクが注目されているんだ。その辺が原産地なのね。これを持続型の経済のひとつの要素にしようと。コンニャクが世界を変える、とか、コンニャコロジーとかとぼくは呼んで、仲間内でもりあがってるんだ。ところで、宇宙塵はコンニャクと呼ばれるのが嫌じゃなかった」
宇宙塵:「うんうん、嫌じゃなかった。そしてほんとにクネクネ歩いてた」(笑)
辻:「コンニャクと呼ぶのも、コミュニケーションだろうね。無視するのとは違う一種の認知だ」
宇宙塵:「そう、認められてたんだと思うよ、回りの子どもたちに。愉しかったんだよ、きっと。彼らにとっても、ぼくにとっても」
辻:「深い。コンニャコロジーだね。やっぱりコンニャクが世界を変える!」
さて、9月は9の月、9・11の9月でもあります。華氏911じゃないけど、本当に世界は今熱ーくなってしまっている。ますます投機的で、競争的で、攻撃的で、不寛容。坂本龍一さんの言うundercooled。そんな9月をどう過ごすか。今、ぼくたちがとれるもっともラディカルな態度は、コンニャクのように9ネ9ネすること。そしてナマケること、休むこと、つまり9戦して、9暇をとり、9養をとり、9息をとること。
以下、ナマクラ会員の松尾聖子さんにお約束していた9(休)のざれ歌をお届けします。
(1)
ずるやすみ、なかやすみ
なつやすみ、ひとやすみ
はしやすめ、きやすめ、ほねやすめ
ばかもやすみやすみ
おやすみ・・・
(2)
やすらかにやすもう
やすやすとやすもう
やすらぎにやすらい
すやすやとねむろう
ただやすむためにやすみ
ねむるためにねむる
いまのためのいま
ここのためのここ
やすむ、やすらかに
やすむ、やすやすと
ねむる、すやすやと
というわけで、世話人中村隆市、事務局長馬場直子に続き、宇宙塵とぼくとでナマケモノ倶楽部を「9月、9ね9ねと、9部」いたします。ちなみに、9部中も、会費はちゃんと払います。
辻信一 |