| (100万人のキャンドルナイトへのメッセージ)
ある時、マハトマ・ガンディーにこんな投書がきた。あんたみたいな大物が、なんでいつも政治や経済の改革といった大事な話題のかわりに、バランスのとれた食事などというどうでもいいような話ばっかりしているのか、と。ガンディーは答えた。あなたの言う大変革が起きるまで、自分の家の周りを掃除してはいけないなどということがあるだろうか。小さな改革もできない者に、大きな改革などできるわけはありませんよ、と。ガンディーは自らチャルカ(糸車)を回して糸をつむぎ、またそれを人々にすすめた。世界をより良い場所に変えてゆくというのはそういうことだ、と彼は考えていたのだ。チャルカは、大地の恵みが人々の間に公平にいきわたるような世の中のありようを象徴している。「チャルカは一回転ごとに平和、親善、愛を紡いでいるのです」、と彼は言った。だから一日一時間、いや三十分でもいい、チャルカを回そう。それにまさるいったいどんな宗教礼拝があるだろうか、と。冬至の夜、ぼくはチャルカを回す代わりに、ローソクを灯そうと思う。ローソクはぼくのチャルカ。それは平和、愛、いのちを紡ぐピースローソク。
辻信一
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