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小さな種(和田彩子)


「小さな種」番外編 大豆ワークショップ IN エクアドル!B

 金曜日の朝、今度は「盛り込み」です。煮沸消毒した
竹の三枚の大皿に、また手ぬぐいをひいて、育ちつつある麹を
1.5kgずつに分けます。たびたび中身をチェックしていた渡邉さん。
「あけると麹の匂いが少しするから、かいでみて。」ということは
育っているということ???みんなで保温器のそばに頭を
近づけます。

 せーのであけて、鼻をくんくんするとほのかに甘い匂いが。
すごい!育ってる〜。例によってくっついた米をほぐしつつ、
でも冷めすぎないように、さっさと作業。
さらにその10時間後の「手入れ」。また優しくほぐして、
保温器の中のお皿の位置をかえました。少しずつ甘い匂いが
強くなったように感じました。しかしまだ安心はできません。
 待っている間にやったのは、風呂敷ワーク
ショップ。風呂敷やハンカチなどを使って、
いろんな包み方をやってみました。

これが想像以上に簡単で、素敵。これいける!
とみんなで大騒ぎしながら、やってみました。
とってもおもしろかったです。
 
 その夜、大豆や麹や味噌バナシをたくさん聞きました。
まず麹というものは自然界にないのか、と。ある、そしてそれは
米につく「病気」であると。田圃に行くと一目でわかるとか。
それを集めて味噌を作ることもできるそう。(そのときメモを
していたわけではないので、間違っていたら申し訳ないのですが)
今は、菌屋サンが、日本に20社くらいあり、それがコントロール
しているとのこと。ほとんど独占市場。でも菌は買うにしても、
この麹をつくる過程というのは、いったい誰がどうやって
構築したんだろう…と私がつぶやくと、「これはもう神の領域だね」と渡邉さん。
麹か味噌か、どちらの話か失念してしまいましたが、さかのぼっていくと、
天照大神にたどり着くんだそうです。

  エクアドルの山岳地方では、チョチョスという伝統的な豆を
よく食します。おやつや前菜などによく食べます。私の感覚で言うと、
枝豆のような感じ。こちらでは、一般的に玉ねぎとトマトのみじん切りと
コリアンダー、塩、レモンとあえていただきます。我が家でも
サラダに入れたり、ペーストにしたりして、よく食べています。
この豆もタンパク質に優れているという話になりまして、
それで持っていたチョチョスのレシピブックを開くと、なんと大豆よりも
タンパク質が多いと書かれていました。私は軽いショックを受けました。
 何にかというと、目の前にあるこのチョチョスに目を向けず、
少々手に入りづらい大豆の方ばかり見ていた自分に。よく食べるもの
だったとは言え、少し軽く見ていたように思います。山岳地方での
重要なカルシウム源とは思っていましたが、タンパク源でもあるとは…。
やっぱり昔からその地方で食べられているものというのは、
意識されていなくても、そこに住む人たちにとっての
重要な栄養源であるんだなぁと改めて思いました。
 
 いよいよ味噌づくりの土曜日。この日はとても
いいお天気。目の前のインバブラ山も裏のコタカチ山も
くっきりとその姿を見せていました。

 朝、保温器の中をのぞくと、ほあ〜んとさらに濃い匂い。
これはいいんじゃないか?と期待大。前日から水につけて
おいた大豆を、朝6時に火にかけます。大豆は、薪の火で
ゆでることにしました。山の中ですから、朝は冷えます。
薪の火は芯から体をあたためてくれます。
 そしてゆでること5時間。途中で、あく抜きをしながら、でもグラグラと煮ずに、
ぷつぷつと泡が出る程度に煮る。しかし煮えていない。これも日本の
大豆とは勝手が違うようでした。さらに煮ること3時間。参加者の一人が
持ってきてくれた有機ナスなどを使った、渡邉家秘伝の味噌尽くしの
お昼ごはんを食べた後、豆をつぶして、麹と混ぜることにしました。

 豆は薬指と親指で簡単に潰れる程度に柔らかくないとダメなのですが、
どうもちょっと固め。でももう暗くなってしまうと作業ができなくなるので、
ここで切り上げることに。それと同時に、参加者の方が持参してきて
くれた納豆菌を使って、納豆も作ることに。ちょっと欲張りすぎでしょうか…。
 トトラと呼ばれる葦の一種で編まれたござの上に
きれいなビニールをひいて、さらにビニールをかぶせ、
ござをその上にひいて、足で踏み始めました。

 ところが、足踏みでは全然つぶれない。ビニールの
中で移動しているだけ。ということで、急きょ、
ビール瓶やワインの瓶でたたき始めました。
しかしそれでもつぶれない。

ほとんど粒が丸のまま残っている。そこでミンサーの
登場です。ある程度つぶれた豆をミンサー係に回し、
そちらですりつぶしてもらうことに。そして、やっと
ペーストっぽい大豆になりました。
 
 それを、麹と岩塩(これもあまりに粒が大きかったので、ミンサーで
あらかじめひいておいた)を混ぜ、さらに大豆と一緒に混ぜ
合わせました。みんな手ぬぐいをかぶり、髪の毛が落ちないようにして、
オトナもコドモもひたすら混ぜ合わせ、団子状にします。私は手に
切り傷が無数にあったので、しみることしみること。

  そしていよいよ、容器に詰めます。私たちの容器は、釉薬もない
素焼きの瓶。前日の午後、別の村まで行ってチチャ(伝統的な
発酵飲み物)を作るようの古い瓶を知人に譲ってもらい、しかし
割れ目があったので、それをみつろうでふさいでおいたもの。
内部全面に塩を振り、底をめがけて大豆団子をべたっと投げつけます。
そうすると、空気が入りにくいとか。小さな容器のひとは、手で丁寧に
詰めていきます。詰め終わった後、渡邉さんは、日本から
持ってきてくれた渡邉家の味噌をおまじないにそれぞれの容器の中に
ちょこっとずつ入れてくれました。
  余談ですが、渡邉さんとこのむすびちゃんは、齢1歳8カ月にして
なんとすでに4回も味噌づくりの経験があるとか。まさに味噌ベイベーです。

  前日、チョチョスのさらなる偉大さ知った私は、チョチョスでも味噌が
できるかもしれないと思い、チョチョスもすりつぶして、麹とまぜて
おきました。さて、どうなるやら…。1年後が楽しみです。参加者は、
亜熱帯地方、アマゾン地方、首都のキト、そしてコタカチ(山岳地方)と
それぞれ違う地域なので、同じ種でも違う味噌ができそうです。
1年後、みんなで味噌パーティーをする約束をしました。

  夜は、みなさんに我が家自慢の五右衛門風呂に入っていただき、
そのあとはゆでた大豆と野菜を入れたかき揚げ天丼で夜ごはん!

 
    本当にどうなることかと思いましたが、なんとか無事に
大豆ワークショップは終了しました。

 本当に渡邉さんがつきっきりで、麹&大豆を見ていて
くれたからこそできたワークショップでした。
本当にありがとうございました。
そして参加してくださったみなさんに感謝です。
どうもありがとうございました!

エクアドルより
ワダアヤ

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