世話人のコーナー
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ナマケモノ倶楽部理事
スローウォーターカフェ代表
の藤岡亜美による、
カルチャークリエイティブな
日々の日記、
ナマケモノクロール!


●Vol.8 3つのたからもの

クリスマスからバレンタインは、フェアトレードのシーズン。

お仕事の疲れがちょっとずつ溜まってきて、ついに迎えたの日

師走らしく、ひんやりと冷え込み、空は晴れ

土の上に脱出!
 
前回、豆腐屋になりたいという龍馬くんを
はじめ、少年たちが大興奮だったのが、『ミ
ノル式足踏み脱穀機!』もちろん「非電化」。

成田市に住む元JALのパーサー、田村さん
が貸してくれました。今日も蒼いビニール
シート
の下で、待っていてくれました。

ミノル式のペダルを足で踏むと、その運動が
ドラムの回転に変わります。木製のドラム
表面には、針金を三角に曲げた突起がいく
つもついていて、そこに乾いた大豆の束を近
づけると、さやがはじけて実が飛び出すとい
う仕組みです。
最初は反対側にまわして、あとはリズムに乗ってペダルを踏みながら、ローラーに大豆の
をかざすだけ。これが、背の低い昔の人用のサイズなのか、子どもたちの背の高さに
ちょうどよいのです!
 
尚くんがひとしきりやり方を説明すると、早速
峯田さん家の陽くんが調子よくを飛ばしはじ
めました。彼らが、自分で種を蒔いて育てた
。全てのさやからが外れると、注意深く上
下を持ち替え、こんどは茎の下の方についた豆
を飛ばす。それは丁寧な仕事ぶりに、目をみは
りました。他の少年たちも、ならんで順番を待
ちます。待っている間に大豆の束を渡してあげ
る子も。

うちのむすびも、大豆の枝の先をドラムにぶつ
けて、音をたてて遊んでみました。ギーッとい
う回転の低い音に、カランコロンとのぶつか
る軽やかな音が、心地よい。
しばらくすると、今度は枝を足の下に入れて、リズミカルに踏んでいるでは!おにいちゃん
たちが木のペダルを踏むのをまねているよう。
 
私は毎年やっているように、尚くんがミノル式をまわすのに合わせて、ほどいたボッチから、
大豆の枝の向きを揃えて、束にして渡します。息を合わせて、ちょうどよいタイミングで。
そのときにわざと目を合わせてみたりすると、農家の夫婦風で、恥ずかしいんですが、楽し
くて思わずわらってしまいます。だけでなく、踊りも唄も、ぽっとした気持ちまで出てくる
脱穀機でした。
 
脱穀機は一台しかないので、そのまわりでは、
シートをしいた上に大豆を積んで、棒でさやを
叩いたり、さやが入った袋の上に乗って飛び跳
ねたり、手でさやを割ったり。そうしてあつめた
大豆をうちわであおぎながらカスを飛ばして、袋
に入れたり、と、みんなが思い思いの方法と速
度で、小さな豆粒たちとむきあっていました。

女子はたまにペチャクチャと手よりも口の方が
盛り上がってくる、というのは世界の何処でも
同じ。カブヤ編みの女性たちが、むしろに積ん
だいんげん豆のさやを前におしゃべりしている
みたいです。
 
私は、「さぼっている」だとか言われながら、みんながとりだしそびれたをさやから出して
集めました。こうみえても、「お母さん」なんですから。その地味な作業のおかげで、乾いた
草のなかから、微妙にグレーががって白く光るカマキリの卵と、まるで100年もののような
カタツムリの殻と、コタツを用意してあげたくなるほど、猫そっくりの茶色い毛虫を2匹発見。

そのそれぞれが、なんともいえない美しさで、この畑で生きてきた不思議な時間を思わせま
す。電気の脱穀機では、絶対に出会えなかった3つの宝物です。
「農って、子どもにもおばあちゃんにも役割があって、誰もあぶれる人が居ない」と、峯田家
の母、英以さんが言っていたけれど、カマキリの卵と、カタツムリと、猫毛虫にとっても同じ
なのかも。
 
先日、ある農業法人にお邪魔する機会があり、大豆の収
穫と脱穀、選別の様子をみて、がっかりしたことを思い出
しました。倉庫の暗がりにある、大きな風呂釜のような容
器にいっぱいの大豆。たった一人でそこに向き合うスタッ
フ。電気で動く脱穀機はけたたましい音を出していました
。私たちが効率を優先する暮らしをしてきたあまり、農業
はこんな風になってしまったのかしら。

もしそうであるなら、価値を作物の収量にだけおくのでは
なく、こんな3つの宝物を見上げながらする作業や、
子どもたちの工夫、豆のさやでする焚き火や、いろんな
生き物がこの畑に一緒に居ることのできる喜びにも見い
だせる、新しい「農」にチャレンジしたい。未曾有の金融
危機だっていわれているけれど、と、カタツムリと、
毛虫
にとっては、今が好都合なのかも。それには、これ
までフェアトレードでしてきた、「森のカカオって美しいん
だよ」ってことを伝えたり、手編みの風合いや自然染色
の面白さを、上手く商品のデザインに反映させるときの
ちょっとした工夫が、活かせそうな気がします。
 
来年は5月に、都市部で新しい店舗のオープン、世界チャンピオンのバリスタがオリジナル・
ラテアートを企画してくださいます!プライベートでは東京から1時間半、原生林も近い新天
地にお引っ越し、こちらは芸大卒の農的建築家夫婦に協力していただいて半農半Xの強力
なモデルを作ります!ちょっとした人生の転換期になりそう。

むすびはお姉ちゃんになります!おせち料理のごぼうも掘れたし、大掃除をして新しい年へ。
家族や仲間と一緒に、小さくて楽しい、はっとするような暮らしと仕事をつくっていきたいと思
います。みなさん、来年もよろしくお願いいたします。

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