コラム一覧

2014年06月25日

GMか、それともGMのない世界か?ーー遺伝子組み換えは反進化である

辻 信一

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GMか、それともGMのない世界か?ーー遺伝子組み換えは反進化である
サティシュ・クマール
(『リサージェンス』2013年9-10月号より。翻訳:辻信一)

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最近のスピーチでイギリスの環境大臣オーウェン・パターソン氏は、農民たちに遺伝子組み換え(GM)種子を使った農業を推奨しました。我らが環境大臣は、モンサント社とともに、世界中が遺伝子組み換え食品を育てることこそが現代的であり、進歩や科学の名に値するというのです。
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2014年04月22日

スモール・イズ・ビッグ――小さいことこそが偉大なのだ ヴァンダナ・シヴァ

辻 信一
スモール・イズ・ビッグ――小さいことこそが偉大なのだ
ヴァンダナ・シヴァ
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(『Resurgence』2014年3月・4月号より:辻信一 訳)
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巨大主義(ジャイガンティズム)にとり憑かれたこの時代、我々は「ビッグ・イズ・ビッグ(大きいことが偉大だ)」という幻想の下に生きてきた。つまり、大きいことがより多くの生産を意味し、より強大な力を意味する、と。より広大な農場、大規模なダム、そして巨大な企業なしに、食料や水といった人類のニーズはまかなえないと、信じられてきた。事実、大企業はますます巨大化し、今ではたった5つの企業が種子と食物と水の供給元として世界に君臨している。

にもかかわらず、事実とは、生態学的にも、経済学的にも、政治学的にも、「スモール・イズ・ビッグ」、つまり小さいことこそが偉大なのである。
 まず生態学的には、一粒の小さな種の中に、大きな木の可能性が生きていることを、私たちは知っている。また同じ一粒に、何千、何万の種を生み出す力が潜んでいることを。その何千、何万粒のそれぞれが、また何千、何万を生み出す力を秘めていることを。「豊かさ」とはまさにこのことだ。だからインドの農民たちは種まきしながら、「この種が尽きませんように」と祈るのだ。
 しかし、豊かさの根源であるその種子を、巨大企業が知的所有権を通じて専有したり、ターミネーター技術によって次世代の種を生み出せないようにつくり変えたりする。種子をつくらない種子! 大企業の願いはこうだ、「この種が尽き、わが社の利益が尽きませんように」
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2014年03月04日

『弱さの思想~たそがれを抱きしめる』(辻信一+高橋源一郎、大月書店)はじめに

辻 信一

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はじめに

 本書のもとになったのは、ぼくと高橋源一郎さんとが共に務めている明治学院大学国際学部で、二〇一〇年から一三年にかけて行われた「弱さの研究」というささやかな共同研究である。ことのはじめは二〇〇九年の春、大学でのとあるパーティの場で隣り合わせたぼくたちのとりとめのない会話が、なぜか、あっという間に共同研究の話へと発展した。それまでは高橋さんと何か記憶に残るような会話を交わしたという記憶もないのだが。それにしても不思議な縁のありようだったとぼくには思えるのだ。自分が経験したばかりの個人的な危機を、興奮を抑えきれないというように―どちらかと言えば朗らかに―語る高橋さんの姿が忘れられない。
 その辺の事情については本文の中で、彼自身から語ってもらうことになる。ここでは、高橋さんとの共同研究を始める以前から、ぼくがどのようにして「弱さ」というテーマと自分なりにつき合ってきたか、そしてそれが、環境運動家としての、文化人類学者としてのぼくにとってどういう意味をもっていたか、振り返っておくことにしたい。
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2014年01月23日

私は楽天家である サティシュ・クマール(『リサージェンス』2013年11-12号より)

辻 信一

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resurgence誌の2013年11~12月号、編集主幹サティシュ・クーマルによる巻頭の文章。新年のために書かれたものではないが、ぼくには年頭にふさわしいものに思える。
危機が深まりゆく今、悲観主義の罠に陥ることなく、晴れやかな心で歩み始めたい。

辻信一

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私は楽天家である
サティシュ・クマール

歴史は次のことをはっきりと示しています。あらゆる大変革の背後には、新しい社会秩序のビジョンを実現するために献身的に活動する楽天家たちの一群があった、ということ。はじめは極端な考えだとか、取るに足らぬ運動だとか思われたものが、結局は主流の現実となっていったわけです。

例えば、奴隷制を終わらせるという考えは、当初あまりにも理想主義的だと見なされ、経済にも大きな打撃を与えるものとして否定されていた。でも、結局は希望と楽観が勝利したわけです。同じように、割とつい最近まで女性に投票権を与えたり、政治に参加させたりすることは無意味なことだと多くの男性が考えていました。しかし今はどうでしょう。多くの国の首班を女性が務めているばかりか、国会議員、大使、裁判官、会社のCEOなど、女性が社会における指導的な役割を果たすのは当たり前になっています。50年前には米国で黒人は投票することさえできなかったのに、今ではホワイトハイスに黒人の大統領がいます。

南アフリカで、アパルトヘイト制度に反対するだけで撃ち殺されたり投獄されたりしたのは、そんなに昔のことではありません。しかし今や、ネルソン・マンデラは希望を象徴する存在となり、その倫理的、政治的な偉大さによって世界中から尊敬を集めている。かつて「日が沈むことはない」とまで言われた大英帝国では、植民地主義への反対闘争にテロリズムのレッテルを貼ったものです。でも、ガンディーのような楽観主義者のおかげで、その帝国主義は過去の物語となりました。共産党、赤軍、そしてソビエトによる中央アジアや東ヨーロッパへの支配は不滅と言われましたが、ここでもまた、楽観主義が勝利をおさめました。ベルリンの壁は崩壊し、その権力は昔に比べればずっと分散化しました。こうした例を挙げればまだまだリストは長くなるでしょう。そのこと自体、思想と楽観主義がもつ力というものを示しているでしょう。そしてそれらが献身的な努力と行動に支えられた時には、人々の意識を変え、古いパラダイムを溶解し、より道徳的で公正な社会秩序の基礎を築くことも可能だということです。

ユートピアなどというものは存在しません。とはいえ、楽天主義者にとって地球とそこに暮らす人類とは、常に進化し続ける現象に他なりません。私たちはみな、変化のプロセスの一部なのです。もちろん、その変化がどの方に向かうかはわかりません。人類がより利己主義的な方向に進化することもあれば、より平等な方へ向かうこともありえます。我々は支配を学ぶこともできれば、参加し協力し合うことを学ぶこともできる。愛する能力を獲得することも、憎悪する能力を習得することも。

この潜在的な可能性を信じること、そして、よりよい方向を選択することが可能なのだと考えること自体が楽観主義なのです。一方、悲観主義とはこの潜在的な可能性を見失うことです。「貪欲でわがままで暴力的なのは人間の本性であり、どうすることもできない」と、悲観主義者は考えます。一方、楽観主義者によれば、人間の心には利他の種子が備わっています。貪欲の雑草がはびこるのを抑えながら、シェア(分かち合い)とケア(助け合い)の種を育てるのです。
産業による自然界の大規模な搾取と破壊は、歴史上、ごく最近の出来事に過ぎません。人間によってつくり出されたことは、人間によって変えることができるのです。ですから、ぜひ力を合わせて経済を、産業を、政治をデザインし直そうではありませんか。
(後略)

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2014年01月18日

セヴァンへの手紙:Love is the Movement!

藤岡 亜美

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セヴァンへ

来日に関するお手紙、ありがとうございます。私たちも共通の未来とLoveについて語り合うのを楽しみにしてます。子どもの頃のまっすぐなセヴァンのスピーチに心を動かされた、全国の人や環境のグループと共に、セヴァンを迎え、もっと沢山の人たちと語り合うために、様々な切り口で準備をすすめています。

日本も、ハイダグワイと同じ6000以上もの島の連なり。渡り鳥の訪れる、山脈の美しい国です。私たちが育つ過程では、経済的な先進国とされ、環境を壊し、50基を超える原子力発電所を作ってきた結果3.11の事故が起きました。年間の自殺者3万人という数字は、経済や効率を優先する社会では、本当の豊かさがつくれないことを物語っています。

日本政府は、国内の原発再稼働に向けて動くばかりか、海外に原発を作り、ODAの名の下によその国の自然を破壊することをやめません。また近隣の国々と上手くやっていく態度をとらず、沖縄のジュゴンの海に米軍基地を作り、せっかく戦争をしないと誓った憲法9条を捨て去ろうとしています。食べものを国内で作る古くからの文化や景観まで壊し、TPPで、より安いものを、他の地域の自然やエネルギーを無駄遣いするなかで得ようと躍起になっています。

「どうして、そんなに経済が大事なのかなあ」とニュースを聞くたびに、毎日ため息が出ます。でもそれらは、決して政府だけの問題ではなく、私たちの暮らしや政治判断と密接につながっています。

私たちも、セヴァンがハイダを愛してるのと同じように、住んでいる地域の人たちと話し合い、そこにある自然を大事に活かしながら、または、都会からそうしようとしてる人たちを応援しながら、工夫をして、手や身体のエネルギーをつかって、新しい時代の暮らしを作っています。そのなかにある、本当の豊かさや、生きる力こそを、子どもたちに伝えていきたいです。

お金よりも、人とのつながりや、自然とのつながりを大事にすること。それは、地球で生きている上では必ずつながっている、遠くの大地の環境破壊についても、一緒にどうにかできるような強いつながりです。

町中がピンク色のハートでいっぱいになる、日本のバレンタインデー。それぞれが心のなかに持っている愛を、どうやって地球を直すことに使えるか、大人の、人間の役割を果たせるか。

セヴァンが子どものときに、「あなたたちはいつも私たちを愛しているといいます。しかし、いわせてください。もしそのことばがほんとうなら、どうか、ほんとうだということを行動でしめしてください。」といっていた、その行動を、セヴァンと一緒にLove is the Movement! をつくりたいです。

Love is the Movement!実行委員会一同

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