コラム一覧

2015年01月17日

平和の経済学 by サティシュ・クマール(リサージェンス誌287号巻頭言より) 

辻 信一

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平和の経済学

byサティシュ・クマール(『リサージェンス』2014年11・12月号巻頭言より、翻訳:辻信一)

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これまでの経済学の多くは市場における競争、お金、そして利益を最優先してきました。そして“永遠なる経済成長”という幻想に突き動かされてきたのです。その結果はどうだったでしょう。ほとんどの場合が不平等、社会的対立、環境破壊などであり、時には戦争でした。

 (中略)

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2014年12月09日

たまにはホントウのことを語ろう~『かたりべからす』に寄せて

辻 信一
たまにはホントウのことを語ろう 辻 信一

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人間の世界にうんざりしている生きものはたくさんいます。いや、うんざりしていない生きものを探すのがむずかしいくらいです。えっ、そういうおまえは何ものかって?ぼくも人間です。でも人間は人間でもナマケモノの人間。

ぼくたちナマケモノ倶楽部は「ナマケモノになる」ことをめざす人間たちの集いです。ナマケモノになるとはどういうことでしょう?それは中南米の森にすむミツユビナマケモノという動物のスローな生きかたに学ぶことです。

葉っぱをたべてつつましく、争わず、あわてず、一日の大半をのんびり眠って暮らすナマケモノ。排泄は週に一回。わざわざ木の根元に下りて、穴を掘ってフンをする。木からいただいた栄養をちゃんとその木に返すため。

自分のペースで生きる。ほかの生きもののペースを尊重する。待ったり、待ってもらったり。自分を生かしているすべてとつながりあって。

ナマケモノはジャングルの中の小さな世界の中にいて、しかし、しっかりと、その生きざまをもって全世界に語っている。そして教えているのです、「生きる」とはどういうことか、を。

「ナマケモノになろう」とは言っても、ぼくたちがなれるのは、所詮、人間のナマケモノか、ナマケモノの人間。人間の世界にホトホト困り果てたり、うんざりしながらも、やっぱりそこにとどまって、自分が生きているというそのことを、タンタンと表していくしかありません。

そして、ウソばっかりのこの世界にあっても、たまには、ホントウのことを、語るんです。かたりべがらすみたいに目をまっ黒にして。

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2014年12月08日

「かたりべからす」あとがき ウチダゴウ

その他

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『かたりべからす』あとがき
ウチダゴウぼくは、何をするにも、みんなより少し時間のかかる子どもでした。
算数の応用問題は基本に立ち返らないとわからない。ひとつひとつ書きたいことを箇条書きにしてから作文を書く。一度風邪を引けば、数日寝込まないと治らない。大好きな女の子との別れをずるずると引きずる。そんな自分を変えたいという気持ちもあったし、そのための努力もしました。でも、あるとき、そういう営みから、一歩身を引きました。これはしかたのないこと。ぼくは、こういうぼくと生きなければならない。そう思ったんです。

しかたがないなあ、もう、と言いながら、ずっと一緒にやっていくこと。

社会も、世界も、人間も、どうしようもないことをたくさんやらかします。それらをひとつひとつ手で掬って見つめていると、どうしようもなく悲しくなってきます。こんなもの、いっそ、消えてしまえばいい。暴れたくなることもあります。

しかたがないなあ、もう。

ぼくはそんなとき、そう言って、そのどうしようもないものと付き合うことにします。どうしようもないものに背を向けたくなる自分のどうしようもなさとも、付き合うことにします。夕暮れの河川敷に座って、どうしようもなく、ただ過ごす。無理矢理励ましたりはしません。もう少し絶望していたい雰囲気なら、ちゃんと絶望します。
すると、ちょっとだけ不思議なことが起こります。さっきまで硬くて冷たくて憎らしかったどうしようもないものが、じわんと柔らかくなって温もりを放つのです。その温もりの、なんとまあ愛らしいこと。いいよいいよ、ゆっくりやろうぜ。お前もぼくもホントどうしようもないなあ。しかたがないなあ、もうしばらく、付き合ってやるよ。

社会も、世界も、人間も、どうしようもないことをたくさんやらかします。悲しくて、切なくて、悔しくて、虚しくて、やりきれない日々がつづきます。それでも、ぼくはもう少し、かれらと付き合うことにします。どうしようもないものに背を向けたくなる自分のどうしようもなさとも、もう少し付き合うことにします。どうしようもないものがじわんと放つあの温もりが、それを愛らしいと思えるぼくを、どうにも捨て切れないから。

しかたがないなあ、もう、と言いながら、ずっと一緒にやっていくこと。
どうです?みなさんも一緒に、しかたがないなあ、もう、でいきませんか。

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2014年10月02日

「しないこと」リストのすすめ ~はじめに

辻 信一

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「しないこと」リストのすすめ
——人生を豊かにする引き算の発想——
はじめに

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何をしたか、ではない。
ひとは何をしなかったか、だ。
(長田弘「詩人の死」より)

「サッパリしたい」、「すっきりしたい」、「ホッとしたい」、「のんびりしたい」・・・。あなたはそう願っていないだろうか?
ぼくは言いたいのだ。あなたのその「すっきり」「のんびり」という引き算の衝動の中に、人生をよりよく幸せなものとするための重大なヒントがある、と。そればかりではない。ぼくたちが生きているこの社会を、もっとすてきな場所にするための手がかりが、そこにはきっとある、と。
(さらに…)

2014年09月08日

ブータン奥地の村でオーガニックコットンがよみがえる 辻信一

辻 信一

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ブータン奥地の村でオーガニックコットンがよみがえる(Be-Pal連載2013年9月号より)

数年前、首都のティンプーから車で4日間、そこからさらに丸一日歩いて最後の峠を越え、東部ブータン奥地の村チモンを訪ねた。それは、わが友ペマ・ギャルポの出身地だ。ぼくとは前世の兄弟同士だと、彼は考えている。とすればぼくにとってチモンの人々はみな親戚縁者だ。
(さらに…)

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