22歳の環境活動家セヴァンに学ぶ、
自然とのつながりなおし


現代の22才の若者たちは、自然と触れ合う体験をじっくりもったことがない最初の世代といわれている。先進国の人口の80%以上が都市部に集中する今日、人類が自然界に対し本来もっていた英知や経験といったものがほとんど失われ、人間は自然から切り離されようとしている。

セヴァン・カリス=スズキ。22歳にして独自の自然体験を持ち、活発な環境保護運動を展開している。今年11月には3週間にわたって来日し、九州・関西・北海道・関東と訪れ、各地の青年や地元住民、NGOグループと交流する。セヴァンの来日を企画したのは、エコ・リーグ、ナマケモノ倶楽部、A SEED JAPANといった日本の青年を中心とした「Youth×Earth Severn Speakers Tour実行委員会(略してYES!)」だ。

生物学者として世界的に有名なデイヴィッド・スズキ氏を父に持つセヴァンは、大好きな父と一緒に、NGO活動を積極的に展開して、ダム建設による環境破壊を阻止するキャンペーンを世界規模ですすめてきた。

セヴァンのことをECO (環境子供組織)を立ち上げた人物として記憶している方も多いだろう。彼女は今から10年前の12歳の時、リオ・デ・ジャネイロで開催された「地球サミット」でスピーチを行った。

「あなた方大人には、未来の子供たちの健康や幸福のために、自然を守る義務がある」と、力強いけれど心を和ませるようなシンプルなメッセージで、多くの各国首脳に感銘を与えた。

生態学と進化生物学について学び、今年の5月に米国イエール大学を卒業したセヴァンは、世界会議をはじめ、世界中の学校や市民フォーラムに呼ばれ、メッセージを伝えてきた。また、1997年から1999年までは、カナダで放送された子供向けの番組「Suzuki’sNature Quest」のホスト役も務めた。彼女の書棚には、大学教授に匹敵するほど多くの参考図書が並んでいる。その中には、彼女がダブルデー出版から1993年に出した『Tell The World』もある。

セヴァンは過去長期にわたって、ブラジル、シングー川下流域に住むカヤポ族の人々と生活を共にしてきた。その滞在中にアマゾンの熱帯雨林が破壊されていくのを目の当たりにして以来、彼女は我々の生命の中で生物の多様性がいかに重要であるかを人々に伝えることを自分の使命としてきた。

セヴァンはスピーチの中で、資源の大量消費や過剰消費といった現在のファーストな風潮に飲みこまれないよう、人々に注意を促す。なぜって、スピードや効率重視の高速消費社会こそが、同時に環境や文化をも破壊する根源だから。たとえば、かろうじて開発をまぬがれてきたアマゾンの熱帯雨林、アフリカの砂漠、アジアの山岳地帯にさえ、いわゆる商業的なエコツーリズムが入り込んでいる。
幸いなことに、セヴァンと志を同じくする人々が増え始め、残されたわずかな手つかずの生態系を守っていく決意を、さらに強め始めている。しかしながら、これらの生態系は、常に企業や政府による乱開発の脅威にさらされている。環境運動家と開発側との間に見られる典型的な軋轢は、実は、それぞれの人生の中で、自然と触れ合う機会のあった人と、そうでなかった人との相互理解の欠如から生まれるのではないだろうか。

環境破壊が広範囲で起こっている現状において、セヴァンのメッセージは次に紹介するように、非常にはっきりしている。

「私たちが、地球上に存在する生物の多様性によって生かされていることを再認識すれば、我々の住む自然を破壊している社会政治的なメカニズムを断ち切ることがどんなに重要か理解することができるでしょう。驚くほど簡単なことをするだけで、効果を生み出すことができるのです。例えば、次のようなことです。

1.外の世界に足を踏み出そう!キャンプにいこう!散歩に出かけよう!
2.今より少ないもので生きていけることを自覚しよう。
3.自転車や公共交通機関を利用しよう!
4.廃棄物を減らし、資源を再利用、リサイクルしよう。」

誰がなんと言おうと、自然は我々の生命を支えるもの。私たち自身が、自然によって生かされているのだということを忘れてはならない。地球を取り巻く様々な環境不安に対して、我々は次のように確信する。

自然は、人を楽しませるために小分けにして売られるような商品では決してなく、我々に唯一残された、我々自身が生き延びていくための確実な手段である。

セヴァンが上に紹介したような「変革を起こす技術」を実行することによって、これを証明してきたことは言うまでもない。セヴァンこそ、スローな心をもった森の菩薩・ナマケモノだろう。

(原文:英語。執筆、アンドリュー・シェイファー、リチャード・マクナマラ)
(翻訳:西垣亜紀。Youth×Earth SevernSpeakers Tour実行委員会)


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